ミランでは同僚のFWバッカ(現ビリャレアル)と、練習で顔を合わせるたび「俺はポジティブ(前向き)だ」「いや、俺の方がポジティブだ」と大まじめに競い合い、前だけを見てやり続けた。メキシコでも生活をともにする専属分析官や個人アシスタントの「チーム本田」3人で、後ろを振り返らず進み、ようやくスタートを切った。

 招集確実な日本代表は31日オーストラリアとの大一番が待つ。今なお頼れる存在であることを証明した男は「危機感はある。人より危機感は持っているつもり。そんなに楽観視もしていない。オーストラリアの方が若干、下馬評的に立場は上かなというところ。それを覆して、勝利をおさめたいなと思います」とメキシコから、声を上げた。

 ◆初戦に強い本田 デビュー戦で得点を決めた本田は比較的初戦に強い。10年W杯南アフリカ大会1次リーグのカメルーン戦での得点はW杯初戦だった。31日に大一番を迎えるW杯アジア最終予選も、昨年9月のUAEとの初戦で得点している。ACミランでの初得点は公式戦2試合目、移籍後初先発したイタリア杯スペツィア戦だった。