日本代表に初招集されたポルトガル1部ポルティモネンセのMF中島翔哉(23)が、2試合連続アシストを記録した。フル出場した敵地セトゥバル戦の前半14分、左足クロスで味方の同点ヘッドをお膳立て。今季9得点7アシストとした。3人抜きのドリブルで沸かせるなど好調を維持し、明日19日からのベルギー遠征に合流する。

 美しい弧を描いた。1点を追う前半14分、左サイドの中島が一瞬で縦に加速。足元のスペースを空けると同時に、利き足とは逆の左足を素早く振った。中央のブラジル人FWデネルの頭にピンポイントで届き、ネットが揺れる。「中は見えてたし、練習でもやっていた」。涼しい顔で2戦連続アシストをやってのけた。

 同点とした後の前半29分にはドリブルで沸かせた。警戒されて2人に挟まれたが、縦からの切り返しで間に割り込む。2人そろって転ばせる鋭さで、3人目のタックルもかわした。その後のパスを味方が生かせず「自分で行き切るか、もっとチャンスになる場所に出せていれば」と反省したが、日本代表ハリルホジッチ監督から「俊敏で爆発的」と称賛された突破力で敵地ファンをもうならせた。

 節目の10点目は代表明けに持ち越しとなったが「日本代表」の面目躍如となる勝ち点1。9得点7アシストの実績を引っ提げ、A代表に初合流する。指揮官の高い評価に頬を緩め「このタイミングで初めて呼ばれたので」。W杯(ワールドカップ)3カ月前、期待は自覚している。「まず味方の特徴をしっかり見て、攻撃の部分で自分の特長を加えていきたい。あ、もちろん守備も」。指摘された課題にもトライする。

 今回の代表にはリオ世代が7人。昨年11月から2人増えていた。「若い選手が出てくるのはいいことだし、一緒に五輪を経験した選手が何人も入っている。初めてだけど、やりやすさはあるかなと思う」。五輪最終予選で同部屋だったMF大島ら仲間も頼りに、常連を突き上げる起爆剤になる。【木下淳】