リバプールにとっては、目を覆いたくなるような信じられない出来事の連続だった。序盤からFWサラーを中心に主導権を握り、得点こそ奪えなかったが絶好のスタートだった。だが前半25分にクロップ監督が言う「最悪の出来事」が起きる。サラーが相手選手とともに倒れて左肩を負傷。いったんピッチに戻ったが6分後に交代し、プレミアリーグ得点王に輝いたエースを早々に失った。

 後半に入っても負の流れが止まらない。同6分にGKカリウスが手でボールを投げたが目の前のベンゼマの右足に当たり、信じられない形で先制点を献上した。4分後にFWマネの得点で追いついたのもつかの間だった。クロップ監督も「信じられないような得点」とお手上げのオーバーヘッドシュートが決まり、勝ち越し点を奪われた。最後はまたしてもGKカリウスにミス。正面に飛んできたシュートを外にはじけず3点目、試合の行方は決した。

 これ以上ないほど不運が重なった。それも決勝の舞台で、だ。クロップ監督は「勝つためにすべてを出し尽くしたが、十分ではなかった。選手たちはできる限りのことをした」。13季ぶりの優勝はならなかったが、最後まで諦めずに戦い抜いた選手をねぎらった。

 ◆決勝で5連敗 リバプールのクロップ監督はドルトムントで12年ドイツ杯を制した後、13年欧州CL、14、15年ドイツ杯、リバプールで16年イングランド・リーグ杯すべて決勝で敗れており、今回で5連敗。