サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会の日本代表MFで、オーストラリアの強豪メルボルン・ビクトリー入りする本田圭佑(32)が、サッカー・カンボジア代表の実質的な監督に就任する。

 12日、首都プノンペンでカンボジア・サッカー連盟(FFC)幹部とともに、本田が会見。「すごくワクワクしている」などと語った。

 直前に更新したSNSに本田は動画をアップ。カンボジアに滞在していると明かし、会見でビッグニュースがあると予告していた。

 指導者ライセンスを持たず、何より現役選手であるため、本田は同国代表チームのゼネラルマネジャー(GM)という役職で、A代表の強化を取り仕切ることになる。

 メルボルン・ビクトリーでの現役選手としての活動を続け、20年東京五輪日本代表に年齢制限外のオーバーエージ枠で加わるという大きな目標とともに、カンボジア代表の強化という壮大なミッションを担うことになる。

 現役選手が別の国の代表チームの強化を任されることは、極めて異例。国際サッカー連盟(FIFA)が定める各国代表の活動期間(直近は9月3~11日)を利用し、拠点となるオーストラリアからカンボジアを訪れ、チームを強化し、試合を実質的に指揮することになりそうだ。

 カンボジア代表は最新のFIFAランキングで166位。W杯出場経験はない。W杯ロシア大会のアジア2次予選では日本と同組で2度対戦し、日本がホームで3-0、アウェーでは2-0で勝っている。本田は2戦とも得点を挙げている。

 この対戦を契機に、本田はカンボジアにつながりを持ち、16年から、同国のクラブの経営に参画。現在1部の「ソルティーロ アンコールFC」を実質的に保有し、同時に世界に展開するサッカースクールも開校している。

 ◆本田圭佑(ほんだ・けいすけ)1986年(昭61)6月13日、大阪生まれ。摂津FC-G大阪ジュニアユース-石川・星稜高-名古屋-VVV(オランダ)-CSKAモスクワ(ロシア)-ACミラン(イタリア)-パチューカ(メキシコ)に在籍し、メルボルン・ビクトリー(オーストラリア)を新天地に選ぶ。08年北京五輪は1次リーグ敗退。日本代表として、W杯は10年南アフリカ大会、14年ブラジル大会、18年ロシア大会と3大会連続で出場し、3大会連続得点&アシストを記録。11年アジア杯では優勝しMVPに輝いた。国際Aマッチ通算99試合37得点。182センチ、74キロ。左利き。