プレミアリーグのレスターが、ポルトガル1部ポルティモネンセの日本代表MF中島翔哉(24)の獲得に動き出したことが23日、分かった。ポルトガルで昨季10得点12アシストの成績を残し、今季は森保一監督(50)率いる新生日本代表で10番を任される実力が評価され、早ければ今冬にも正式オファーが届く。欧州で注目される中島の移籍先候補に15-16年シーズンのイングランド王者も加わった。

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日本代表で人気急騰中の中島に、元プレミア王者レスターが触手を伸ばす可能性が出てきた。アジア事情に詳しいプレミアリーグ関係者によると、現在11位のレスターが起爆剤として獲得を検討。早ければ来年1月の移籍成立を目指し、中島の代理人テオ氏と接触する見通しになっているという。FW岡崎が15年に加入した際の移籍金1200万ユーロ(約17億円)を上回る2000万ユーロ(26億円)を準備した、との情報もある。

 水面下で動いている人物は旧知のフランス人のようだ。今季からレスターでコーチを務めているのが、日本代表でハリルホジッチ元監督の右腕だったジャッキー・ボヌベー氏。在任中にポルトガルリーグの視察を重ね、中島を推薦した実績がある。進言通り、A代表初招集となった今年3月の親善試合マリ戦で中島は初出場初得点をマークした。

その後、体制が変わって2人ともW杯ロシア大会出場を逃したものの、縁は続いていた。ボヌベー氏が今週末26日のナシオナル対ポルティモネンセを視察する計画があり、中島との再会が獲得レース参戦に急進展するかもしれない。レスターは岡崎が在籍4年目を迎え、ピュエル監督も17年夏までDF吉田のサウサンプトンを指揮していた。日本人への理解あるクラブだ。

プレミア挑戦の壁となる労働許可証の取得も、新生代表に定着した上、欧州内の移籍では条件が緩和される例が多く、レスター側は取得可能と考えているようだ。昨季は29試合に先発し、10得点12アシスト。今季も9月のリーグMVPに輝くなど、緩和に値する評価は得られそうだ。

移籍先は欧州内でも報道が過熱している。今春にAマドリード、ドルトムントなどが調査を始め、現在もセビリアやポルトガル3強のポルト、ベンフィカ、スポルティングが注目。欧州CL常連のウクライナ1部シャフタル・ドネツクからは既に正式オファーが届いている模様だ。スペイン国内の報道によると、中島の移籍金は4000万ユーロ(52億円)まで高騰している。

その中で新生日本代表の10番を背負い、左MFで先発した9、10月の2試合で計4点に絡んだ中島は、長友から「ドリブルお化け。ビッグクラブに行ける能力がある」と称賛された。本人は「欧州CLに出るようなチームに行くことは選手として大事。ただ、楽しむことが1番」と話し、焦りはない。今冬だけでなく来夏の移籍市場も見据え、慎重に新天地を見極めるつもりだ。一方で周囲は騒がしさを増す。レスター参戦で「中島争奪戦」は、より大きなうねりになっていく。