仙台からCSKAモスクワに移籍したFW西村拓真(22)が、欧州チャンピオンズリーグ(CL)デビューした。開幕から2試合連続ベンチ入りも出番がなく、3戦目だった。

見せ場を作るには難しい状況だった。0-3とほぼ試合が決まったあとの後半44分から出場。1トップに入ったが、ほとんどボールに触れることはなかった。ロスタイムを含め、わずか4分間。それでも「率直にもう少し出たいというのは思いましたけど、自分にとって意味のある4分かなと思います」と、まずはピッチに立てたことを前向きに捉えた。

移籍から約1カ月が経過した。まだ試行錯誤が続く段階だと自分を冷静に見つめる。「今の身体能力でどう戦うかという部分と、日本人じゃない相手に対してどうやって戦うのかっていうところですかね」。同クラブでのCLデビューは13年のFW本田圭佑以来。日本代表の顔でもあった本田が戦った場所が、決して簡単じゃなかったことを実感している。「こういう相手と毎試合やってるっていうところでは、やっぱりサッカー選手としてすごく成長できると思う。外から見ていても、まだまだ自分って実力っていうのは、伸ばしていかないと上にはいけないと思っています」。仙台からロシアへ飛び込んだ。もがく環境は、さらなる成長のために自ら求めたものだ。

22日で、22歳の誕生日を迎えた。翌日の欧州CLデビューは、自身へのプレゼントにもなった。ただ、西村の目線はもっと先に向いている。22年ワールドカップ(W杯)カタール大会を目指す日本代表では、すでに年下の選手も招集されている。「(代表について)常に考えています。誰もが思っていることですし。でもまずはこのチームで活躍しないと。ここでの練習からでも各国の代表とやれている。すごく吸収するものがあります。もっと自分を伸ばしていきたいと思っています」。海外でプレーできるチャンス、そのメリットを感じながら、先に掲げる目標に向かって歩み続けている。