FC東京の主将を務める韓国代表DFチャン・ヒョンス(27)が1日、代表チームから永久追放された。社会奉仕活動の証拠書類を虚偽で提出したとされる問題で同日、韓国サッカー協会が懲戒委員会を開き、チャンに「代表資格の永久剥奪処分」を下すことになった。

2014年ワールドカップ(W杯)ブラジル大会、オーバーエージ枠で出場した16年リオデジャネイロ五輪、18年W杯ロシア大会に出場したセンターバック。韓国の守備を統率する主軸だったが、来年1月のアジア杯UAE大会をはじめ、今後は代表戦に出場できなくなった。既に今月の国際Aマッチは招集辞退を表明していたが、約300万円の罰金と合わせ、最高クラスの懲戒処分を受けることが確定した。

チャンは14年アジア大会仁川大会(韓国)に出場して金メダル獲得に貢献。兵役免除された際、代替の社会奉仕活動(544時間)を義務づけられていた。しかし、昨年12月に母校で196時間の奉仕活動をしたとする申請に虚偽が認められたという。屋外でサッカーをしたと書類を提出した日が大雪だったため、発覚した。

本人は前日10月31日にクラブを通じ、反省コメントを公表。「FC東京を応援していただいているファン・サポーターのみなさま、さらにクラブスタッフ、監督以下、選手・スタッフ、関係者のみなさまに、個人的なことで大変ご迷惑をおかけしたことにつきましてお詫び申し上げます。今回の兵役免除に必要な奉仕活動報告を、一部事実と異なる報告をしたこと、韓国代表選手として守るべき義務を怠たり誠実に遂行しなかったことを、本当に深く反省しています。改めて選手としての責任と国民としての義務をはたし、もう一度心を入れ替えて、みなさまに信頼してもらうように努力してまいります。今後ともご声援よろしくお願いします」(原文まま)と猛省していた。

だが、国内では近年、スポーツ選手や芸能人の特例兵役免除への疑問が出ていることもあり、社会への影響を重く受け止めた韓国協会も、厳重な懲戒処分を下す決断を迫られていた。