昨年のロシアワールドカップ(W杯)で日本を率いて16強入りした西野朗氏(64)がタイ協会と監督就任に関して交渉をしていることが28日、分かった。タイ協会は西野氏に年俸5000万円(推定)を提示。合意すれば、近日中にも発表される見通しだ。この日、神奈川県内で恩師と会っていた西野氏は「(監督就任については)今日は何も言わないよ」と言葉を濁していた。

タイのネーションTVも、この日に同国代表の監督に西野氏が就任する見込みだと報じた。西野氏は日本代表監督退任後はフリー。タイ協会は、9月開幕のW杯カタール大会アジア2次予選に向け、空席となっている代表監督の選定を進めており新監督を近日中に発表する運びとなっている。

西野氏がタイの監督に就任すれば、W杯アジア2次予選の組み合わせ抽選(7月17日)を前に、森保ジャパンに西野タイ、本田カンボジアと、日本を知り尽くす指揮官が率いるライバルが立ちはだかる可能性もある。

◆西野朗(にしの・あきら)1955年(昭30)4月7日、埼玉県浦和市(現さいたま市)生まれ。早大時代から日本代表に選ばれ、日立製作所(現柏)でプレー。国際Aマッチ通算12試合1得点。90年に現役引退し指導者となる。96年アトランタ五輪では日本を率い、ブラジルを破る金星を挙げた。18年4月に前任のハリルホジッチ監督の退任にともない日本代表監督に就任。W杯ロシア大会では16強入りに導いた。JリーグではG大阪で05年のJ1優勝、08年のACL優勝など数々のタイトルを獲得し、柏、名古屋などの監督としてJ1最多270勝。