セリエAボローニャの日本代表DF冨安健洋(21)が24日、リーグ中断期間を利用して千葉・成田空港に一時帰国した。パーカにニット帽のリラックスした様子で到着ロビーに姿を見せると、ファンや空港利用客らにサイン。報道陣の取材にも応じ、2019年について「70点。自分でもビックリするくらいのテンポで(ステップアップ)できている。このままの勢いで行けるのか不安にもなるけど、次につなげるためにもイタリアで感じる課題を克服していきたい」と決意を新たにした。

今夏、ベルギー1部シントトロイデンから「カテナチオの国」イタリアへ。ボローニャでは主に右サイドバックで起用された。「第1DFを外す仕事、スイッチを入れる仕事はできている。自信が深まった」と攻撃面に手応えを感じつつ、一方で守備には「日々、課題を感じながら取り組めている」。精神面でも「主張の強いイタリア人に最近は言い返せるようになった」と成長した。

移籍1年目の半年間でリーグ14試合に出場。10月のワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選モンゴル戦で左太もも裏を肉離れし、1カ月ほど戦列を離れたにもかかわらず、5試合の欠場を除けば全試合に先発した。そのうち、直近22日のレッチェ戦など2試合に本職のセンターバックで出場。感じたのは「ヘディングが得意ではないので、ホントちゃんと練習しないといけないと思いました」だった。

188センチの長身のため幼少時から最高到達点で競り合う経験がなかったことなどが影響し「もともと空間認知力があるわけではなくて。マックスの力で(頭で)はね返したりできないので、しっかり鍛えたい」と屈強な外国人と渡り合うことで新たな課題を知ることができた。サイドバックでの出番がメインだったことで、空中戦で競り合う回数も単純に減っている。来年は強く意識してヘディングの練習に取り組む意向を明かした。

着実に進化しながら、いよいよ来年、東京五輪を迎える。「森保監督も言っているように、金メダルを取ることが目標。まずはピッチに立てるように。チームとしても個人としても、しっかり引っ張っていきたい」と責任感を口にした。負傷で選ばれなかった11月のU-22コロンビア戦も映像では確認。「出ていない自分が何かを言うことはできないですけど」と前置きした上で「普通に勝つと思っていたのでビックリしたけど、なかなか難しそうだなと思いながら見た。次に活動がある時に、しっかり選手同士で話し合えれば」と意気込んだ。

年内は、イベント出演のほかは家族や友人との食事で英気を養う。リーグ戦の再開となる1月6日フィオレンティーナ戦から、東京五輪へ向かう2020年をスタートする。【木下淳】