東京五輪のサッカー男子日本代表MF久保建英(20=レアル・マドリード)の来季の期限付き移籍でのプレー先として、スペイン1部エスパニョールとレアル・ソシエダードが有力候補となっていることが5日、分かった。スペイン1年目だった19年シーズンに所属したマジョルカも、獲得に興味を示している。

エスパニョールは昨季27年ぶりに2部での戦いを強いられたが、1シーズンで1部復帰を決めている。まずは残留が目標となるチームの中心に添えたい考えだ。一方のRソシエダードは昨季5位と好成績。ハイレベルな競争が待っている。

所属元であるRマドリードは新シーズンも3つのEU圏外枠を他選手で埋める見通しだ。ブラジル出身のFWビニシウスがスペイン国籍を取得できる見通しだが、空いた1枠は東京五輪にブラジル代表として出場しているMFヘイニエルらが最有力で、今季からの復帰が不可能となっている。

また久保本人も焦っておらず、3年目を迎える今年も期限付き移籍での武者修行を希望しているという。東京五輪では1次リーグで3試合連続ゴールを決めるなど、同年代の中では実力を証明。すでにブンデスリーガなど国外からも獲得の打診が複数届いているが、コミュニケーションも問題のないスペインのクラブを第一候補としている。

久保は昨季を強豪ビリャレアルでスタート。しかし同国代表MFモレノといった猛者との競争の中で出場機会を得ることができず、シーズン途中でヘタフェに移籍。守備を重視するクラブで存在感が薄れた時期もあったが、クラブを1部残留に導くミドルシュートを決めるなどして終盤に息を吹き返した。五輪でふたたび評価を上げた日本の至宝の、新たな挑戦の場はすでに絞られている。