<フランスリーグ:パリサンジェルマン3-1ブレスト>◇18日◇パリ

 あふれる思いをこらえ切れなかった。終盤に交代選手がピッチサイドに姿を見せると、現役引退を表明したパリサンジェルマンMFデービッド・ベッカム(38)は涙をこぼしながらボールを追った。

 交代が告げられ、チームメートが次々と抱擁に訪れた。総立ちの観客、そして対戦相手の選手までもが、涙にむせぶ希代のスーパースターを拍手で見送った。「最後は感情を抑えられなかった。本当に特別な夜だ」と感極まった。

 世界を驚かせた引退表明から2日。ホーム最終戦でキャプテンマークを託された。前方への正確なパスで果敢に仕掛け、前半31分には絶妙なCKをマトゥイディに合わせてチームの2点目をお膳立てした。

 後半にも好クロスを上げるなど、38歳になっても衰えぬ輝きを、満員の観客の前で披露した。

 26日に敵地での最終戦を残すが、アンチェロッティ監督は起用に慎重な姿勢を示し、この試合が現役最後となる可能性が高い。試合後にはピッチで、胴上げもされた。

 サッカー界を超え、絶大な人気を誇った名選手は試合後のあいさつで「これ以上、特別なことはない。メルシー、パリ」とファンへの投げキスで本拠地のピッチに別れを告げた。