<欧州L:セルティック2-1アストラ>◇1次リーグD組◇23日◇グラスゴー

 アストラ(ルーマニア)のMF瀬戸貴幸は、セルティック戦に先発したが敗れた。

 ケガ人が多く、本職のボランチではないトップ下で、名門セルティックを相手に善戦。前半23分には相手と競り合いながら突破してミドルシュートを放ったが、ゴール右へわずかに外れた。後半33分に退くまでプレー。チームは3連敗で、D組最下位に沈んでいる。

 瀬戸

 僕のチャンスも含めて、前半のチャンスを決め切れていたら勝てた試合だった。

 ブラジル留学を経て、07年夏に当時ルーマニア3部のアストラに加入。徐々に階段を上ってきた。現在、8季目を迎え、欧州リーグの舞台で戦っている。

 瀬戸

 (ルーマニア)3部にいた頃は、2部に上がる、1部に上がるということさえ想像できなかった。でも1部に上がって、そこで順位も上がって、欧州リーグにも出たい、欧州チャンピオンズリーグにも出たいと思えるようになったし、目標として見えてきました。で、その目標とした舞台がひとつ実現できていて、それはすごくうれしいです。

 昨年は中東からのオファーを断り、チーム残留を選んだ。言葉の壁もなく、家族でルーマニアに住む。

 瀬戸

 チームと一緒に自分も成長していると実感できるし。ルーマニアリーグも優勝すると欧州チャンピオンズリーグの予選に出られますし。そういう舞台でやっているのは自分にとっても大事だと思う。海外でやることで1番大切なのは、心が折れないこと。(中東の)オファーを断ったことが理由で干されて試合に使ってもらえない時も、黙々と練習。与えられたチャンスで結果を出した。

 ザルツブルク戦(2日・1●2)でEL初得点を挙げ、注目を集めた。

 瀬戸

 あらためて(ELは)大きな舞台だなというのを思った。記録にも、記憶にも残る。より大きな舞台で結果を残していくのが大事だと思う。欧州チャンピオンズリーグにも出たい。

 Jリーグを経験せずに、海外へ挑戦。道無き道を切り開いてきた瀬戸は、後輩へメッセージを贈った。

 瀬戸

 多分、僕がJリーグを経験していたら、みんな(僕を)知っていたと思うんですけど。Jリーグを経験していないんで。そういう選手もいていいんじゃないですかね。日本でやっているとみんなJリーグ目指しますし、(Jリーグに入れないと)才能があったとしてもそこで辞めちゃう選手もいると思うけど、海外に行ってチャレンジしてもいいんじゃないんですかね、と思います。何があるか分からないので。

 ルーマニア3部から欧州舞台に上がってきた男は、まだ夢の途中にいる。