イタリア紙ガゼッタ・デロ・スポルトが22日、別冊のスポーツ・ウイークの中で、初の日本人対決実現の可能性がある23日(日本時間24日)のミラノダービーを前に、特集を組んだ。

 ACミランの本田圭佑(28)とインテルミラノの長友佑都(28)のインタビュー記事を掲載した。

 「東洋のナポリ風イタズラ小僧」と書かれた長友についての記述は次の通り。

 「友人であり、ライバルでもある本田(すしを一緒に食べに行く間柄)と比較して、性格が非常に明るい。

 チェゼーナでは『ナガティエッロ』と呼ばれていた。タランテッラ(リズムの早いイタリア南部の踊り)を踊っていたから。

 更衣室での冗談もナポレターノ(ナポリの人)に通ずるものがある。

 ユートは、3年前(2011年1月)数カ月のチェゼーナでの経験を終えて、ミラノにやってきた。

 本田に比べて、比較的簡単に、新しい環境に慣れる事が出来た。それはピッチだけではない。イタリア語も多少理解し、イタリアの習慣も理解できつつあり、特に食事面でも慣れてきていたからだ。

 環境に慣れるのに、ミラノに住む2136人という多くの日本人(他のイタリアの街にはこれほどの日本人は住んでいない)も助けになった。

 特にユート・ナガトモ(28歳のインテルで右左のサイドバックを務める男)m彼を助けたのは何より、彼自身の明るい性格だった。

 更衣室での冗談はお手の物。自分で自分をネタにすることもあった。

 『インテルでは、スナイデル(現ガラタサライ)が、ナプキンに、削ったパルミジャーノチーズを包んだ。僕がそれを開くとチーズがこぼれてチーズまみれになったんだ。

 カッサーノ(現パルマ)は土曜日の夜の試合の後、日曜日の朝8時に携帯に電話してきて、僕が起きるまで電話を鳴らし続けたんだ』などと話している。

 元日本代表監督アルベルト・ザッケローニは、ユートの性格を『日本人?

 何を言っているんだ。彼は本当のナポレターノ(ナポリの人)だ』と話している。

 チェゼーナのカンペデッリ会長は、口調や、情熱、自然な振る舞いから『チーロ・ナガティエッロ』と命名している。

 ミラノでは、街の中心部に住み、ファッション街で買い物をしている(本田と同じようにブランド品に身を包む)。ほとんど毎晩外食し、自由なシングルライフを楽しんでいる。

 本田とは最高の日本レストランに行き、イタリアンレストランではボッタルガ(イタリアのからすみ)のスパゲティ、パルミジャーノのリゾット、ピアディーナ(薄焼きのピザのようなもの)がお気に入り。

 2人を比較すると、本田は外に出かけないことが多い。それは、すでに結婚しており、一児の父であるからだけではないのだが。

 彼もまた高級ブランドの店が並ぶモンテナポレオーネ通り近くの中心街に住む。中遠距離の移動には、ベッカムの運転手をしていた運転手を雇っている。

 長友は、本田を『素晴らしい人間。良くしゃべり、冗談も言う』と言う。

 ケイスケがイタリアに来た時、熱狂的なサポーターがいかに情熱的かを説明している。

 『ここでは、日本と比べてサッカーは“神聖”なもの。毎日試験を受けているようだ。早く批判に慣れるほうが良い』と。

 最初の6カ月のミラン生活で本田はチームの散々な結果もあり、たっぷりその忠告通りの事柄を経験した。だが、現在は、褒め言葉に一変した。

 数日前(衛星テレビ局)SKYのインタビューで長友はこれについて、笑みを浮かべ『(彼は)出来ると思っていた』と答えた。

 その様子は、まさにナポレターノ(ナポリの人)だった」