イタリアで起きたパルマサポーターのバス轢死(れきし)事件の詳細が3月31日、明らかになった。ユベントス-パルマ戦当日の30日昼、イタリア・トリノ郊外アスティのサービスエリアでサポーター同士のトラブルが発端となり、いわく付きのサポーターが非業の死を遂げていた。

 亡くなったのはパルマのウルトラ(過激サポーター)グループ「ボーイズ」メンバーのマッテオ・バニャレージさん(享年27)。バニャレージさんは05年1月6日のパルマ-ユベントス戦でも騒動を起こしたとして、3年間のスタジアム観戦禁止の処分を受けていたが、それが解かれたばかりの不幸だった。

 警察検分によると、サービスエリアで両サポーターの乗ったバスが鉢合わせとなり、50人以上のパルマサポーターがユベントスサポーターのバスを襲撃。身の危険を感じた乗客が運転手をせかしたため、ドアも閉めずにバスは急発進。バスの運転手は「車輪の下に何かを感じたが、人だとは思わなかった」と話しており、人をひいたことに気づかず、800メートルも走っていたという。なお、延期となったユベントス-パルマ戦は16日に行われる見込み。

 ラツィオサポーター射殺事件から、わずか5カ月。またもイタリアで悲劇が繰り返された。(波平千種通信員)