<ブンデスリーガ:ボルフスブルク0-0バイエルン>◇4日◇ボルフスブルク

 バイエルンが、執念の王座奪還を果たした。アウェーでMF長谷部誠(24)所属のボルフスブルクと対戦。主力を相次ぐ故障で欠く中、相手の猛攻を守備陣が体を張って守りきり、0-0で引き分け。3節を残して2季ぶり21度目のリーグ優勝を飾った。4位だった昨季の屈辱を晴らすべく、大型補強を断行。開幕から1度も首位を明け渡さない圧倒的な強さで、完全復活した。

 ただ、王座に返り咲くために-。バイエルンのなりふり構わない戦いぶりは、この日も変わらなかった。GKカーンやルシオら主力を欠く中、相手の猛攻にさらされても耐えて、カウンター攻撃に徹した。前半14分、ポドルスキーがDFの裏に抜け出してシュートを放つと、同19分には約20メートルの距離からの直接FKをGKベナクリオが横っ跳びでセーブ。引き分け以上で決まる栄光へ、集中力を研ぎ澄ませた。

 昨季はチェルシーに移籍したバラックの後継者探しに失敗し、シュツットガルトに王座を明け渡した。リーグ戦ではクラブ史上最低の4位。名門のプライドをかけ、8000万ユーロ(128億円)の巨費を投じて大型補強した。リベリー、クローゼ、ゼ・ロベルトらスターを獲得。72-73年、84-85年に続く、開幕から首位を守り続ける完全優勝を目指した。

 この大舞台に長谷部が立っていた。この日も攻守に積極的にプレー。スター軍団を相手に、ゴール前に迫る場面も何度かあった。試合中盤までは互角の戦いを演じた。ブンデスリーガにすっかり溶け込んでいることを印象づけた。

 だが、UEFA杯準決勝敗退の悔しさを胸に、既に獲得したドイツ杯との「2冠」を狙うバイエルンは、劣勢の終盤でもロングパスを前線に放り込んで得点を狙い続けた。守備陣は耐えた。2位ブレーメンとの勝ち点差を10とし、2季ぶりに歓喜の時を迎えた。アウェーのピッチの上で、無邪気にはしゃぎまくった。