<欧州CL:ACミラン3-2Rマドリード>◇21日(日本時間22日)◇1次リーグC組◇マドリード
ACミランのブラジル代表FWアレシャンドレ・パット(20)が、敵地で2ゴールを挙げ、優勝候補のRマドリードを3-2と打ち負かした。尊敬する先輩カカを向こうに回し、後半21分に勝ち越し点を奪うと、同43分に右足ボレーで決勝ゴール。ここまで期待されたほどの活躍ができず、W杯予選メンバーから外れた男が、自らの真価を証明した。
主役はカカでなく、パットだった。欧州きっての名門対決は、両者譲らず2-2のまま後半43分を迎えた。パットは右サイドから果敢にドリブルで敵陣へと持ち込み、自らチャンスをつくる。そして左サイドのシードルフからのクロスボールを、冷静に右足ボレーでたたき込んだ。ミランからレアルへ移籍したカカが注目される中、パットが圧巻の2得点で、カカを蚊帳の外へと追いやった。
両手を広げる飛行機ポーズでピッチを舞ったパットは「2点もうれしいけど、チームの勝利の方がもっとうれしい。ミランは試合を2分で解決できるような優秀な選手がそろっていることをマドリードで示すことができた」と喜んだ。レアル戦を前に「僕はまだベルナベウでプレーしたことがない」と興奮を隠せなかったが、初の舞台で大観衆の目を独り占めにした。レオナルド監督は「今日のパットは完ぺきだった。まさに彼の試合だ」と話した。
17歳でミランへ移籍し、2年がたった。カカのサポートを受け、1年目は半期で9ゴールを挙げ、昨季は15ゴールを記録。しかし今季は「兄」が抜けたことで周囲との呼吸が合わず、チームとともに精彩を欠いた。9、10月のW杯予選メンバーからも漏れると「この世界で成功するには鋼の精神力が必要」と自らに言い聞かせ、壁を乗り越えた。18日のローマ戦に続く価値ある決勝弾に、対戦したカカも「辛抱してついに芽が出たね」と優しくほめた。
オフには結婚し、先月にクラブとの契約を14年まで延長。年俸は100万ユーロから250万ユーロ(約3億3750万円)へ大幅増となった。夫として、エースとして責任を背負うパットは「来年のW杯に代表の一員として参加するのが大きな夢の1つ」と言う。20歳のストライカーが、笑顔を取り戻した。
[2009年10月23日7時54分
紙面から]ソーシャルブックマーク


