<クラブW杯:バルセロナ2-1エストゥディアンテス>◇19日◇決勝◇UAE・アブダビ

 エストゥディアンテスが、世界一の座を土壇場で取り逃がした。前半37分にFWボセジのヘディングシュートで均衡を破ると、司令塔ベロンを軸に南米の試合巧者ぶりを発揮し、1-0で逃げ切り目前だった。しかし終了間際にFWペドロに同点ゴールを許し、最後は同胞のメッシに決勝ゴールを奪われる皮肉な幕切れ。完全に「引き立て役」となってしまった。

 それでも34歳の主将ベロンは潔く「もちろん敗戦はとてもショックだが、心を落ち着かせるべきだ。世界最高のバルセロナ相手に最高のプレーができたんだから」と話した。68年のインターコンチネンタル杯(トヨタ杯、クラブW杯の前身)で当時エストゥディアンテスの主力だったのが父ラモン。マンチェスターUを下し世界一に輝いた。

 その父のニックネームだった「ブルヒータ(小さな魔法使い)」を受け継ぎ、異名通りのプレーを決勝でも発揮。巧みなボールコントロールで周囲を操り、強烈なシュートも放った。奮闘及ばず父子2代での世界一の夢はついえたが「このチームの一員としてクラブW杯を戦い、バルセロナを瀬戸際まで追い詰めたことを誇りに思う」と話した。

 [2009年12月21日8時25分

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