フランス1部の古豪バランシエンヌが、グルノーブルの日本代表MF松井大輔(28)獲得を目指し、正式オファーを出したことが3日、分かった。移籍金の提示額は推定200万ユーロ(2億5000万円)で、4月下旬にグルノーブル側へ打診した。今後、本人の意思を確認しながら、クラブ間での交渉が始まる。

 現在リーグ10位のバランシエンヌは、来季の上位進出へ向けて攻撃陣の補強に着手。スピードと足元の技術が高く、6月開幕のW杯日本代表メンバー入りが確実視されている松井に目をつけた。松井は今季から3年契約でグルノーブルに加入。11-12年シーズン終了(12年6月末)まで2年間契約が残っているが、チームが4月10日のトゥールーズ戦で敗れて、来季の2部降格が決まったため、今後の去就が注目されていた。

 グルノーブル側は「松井が必要な戦力であることに変わりはない。ただ、彼の将来を考えた場合、2部リーグにとどめるわけにもいかない」と移籍交渉の門戸を開く方針。今後はバランシエンヌの提示条件を目安に、複数の欧州クラブが松井獲得へ動くとみられる。松井は現段階で欧州残留を希望しているが「いいオファーがあれば考えます。自分をすごく必要としてくれるチーム、それが僕には魅力的なチームだと思う」と話しており、J復帰も選択肢に入れている。04年まで所属した京都などJクラブも名乗りを上げれば、日欧での争奪戦に発展しそうだ。

 ◆バランシエンヌFC

 1913年設立で、本拠地はベルギー国境近くのフランス北部ノール県バランシエンヌ。スタジアムは約1万6000人収容のヌンジュセール。51年フランス杯準優勝。92-93年の贈収賄事件で3部、96年に4部へ降格したが再興。04-05年全国選手権(3部)優勝。翌シーズンに2部優勝で1部に復帰し、モンタニエ監督が就任した昨季は12位。元フランス代表FWパパン、日本代表オシム前監督も現役時代に所属。

 [2010年5月4日9時10分

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