<ロシアリーグ:CSKAモスクワ1-0クリリア・ソベトフ>◇19日◇ロシア・サマラ

 CSKAモスクワの日本代表MF本田圭佑(24)が自身のリーグ再開戦に先発出場した。クリリア・ソベトフ戦(アウェー)にボランチで先発。格下相手で序盤から押し気味の展開となり、前半の攻撃時はほぼ2列目でプレーした。ただ、強く望んでいた前線ではないことも影響し、前半は3月26日のアンジ・マハチカラ戦以来となるゴールは生まれなかった。

 本田が主戦場のリーグの舞台に先発で戻ってきた。モスクワから約1000キロ離れた敵地。両チームの選手は、ゴール裏からピッチを横切る、変わった形で入場してきた。本田はいつものように胸を張って最後尾を歩き、堂々と姿を見せた。

 起用されたポジションは前線ではなくボランチ。守備専任ではなく、左隣に位置した相棒のMFママエフをアンカーのように残し、再三、2列目まで上がって攻撃に絡んだ。前半7分にはカウンターから50メートル近くをドリブル。ワンツーから相手ゴールに向かった。

 一貫して前線での起用を強く望んでいる。W杯前にはボランチ起用を受けて、スルツキ監督に直談判。W杯での疲労などを考慮され特別休暇を与えられ、日本からモスクワに向かった11日にも「ボランチをやるつもりはないですよ。また監督に言わなくてはいけないかもしれませんね」と話していた。

 12日のチーム合流後、14日のロシア杯トルペド・モスクワ戦に途中出場し主に2列目で25分間プレーした。その後の練習では連日、指揮官と密に話し合い、コミュニケーションを取る場面がみられた。本田の意向とは別に、チームは本職のボランチが故障や出場停止などで、今回の遠征に帯同していない。苦しい台所事情もあった。ただ、中盤の深い位置で、持ち味の攻撃性を思うように発揮できない。前半に蹴ったセットプレーは1度だけで、ゴールもなし。チームは1-0で勝った。【八反誠】

 [2010年7月20日8時40分

 紙面から]ソーシャルブックマーク