18年W杯招致に立候補しているロシアがプーチン首相の“剛腕”で開催権強奪を狙う。スポーツ大臣のムトコ招致委員長が「首相の行動は秘密だ。来てほしいとは思うけど」と12月2日のFIFA理事会の開催地決定投票前にスイス・チューリヒ入りすることをにおわせた。

 同首相は07年のソチ冬季五輪(14年)招致の際も投票2日前にIOC総会が行われたグアテマラ入りし、IOC委員をホテルのスイートルームに招待して直接説得。韓国の平昌を逆転して開催を呼び込んだ。すでにW杯でも選手、関係者と入場券を所持するファンのビザを免除するなど、政府の全面的支援を約束している。イングランド優位の下馬評を覆す可能性もある。

 イングランドの元代表MFベッカム、米国のクリントン元大統領ら、各国は投票前に現地に有名人を派遣する予定だ。22年大会に立候補している日本は、すでに小倉招致委員長(日本協会会長)が現地入りしている。同委員長は有名人派遣には「あまり意味を持たないと思う」と否定的で、売りの“次世代W杯”を前面に押し出してアピールしていく。

 [2010年11月30日9時1分

 紙面から]ソーシャルブックマーク