日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(57)が、DF長友佑都(24)のインテルミラノ移籍を“アシスト”した。旧知の仲のイタリア人パオロ・コンドー記者によると、同監督は日ごろから「ナガトモはビッグクラブでプレーできる選手だ」と高く評価していたという。その言葉は、ザッケローニ監督がACミランを指揮していた98~01年に、「愛弟子」として中盤を支えた現インテルのレオナルド監督の耳に届いていた。アジア杯優勝の原動力となった活躍に加え、ACミラン、インテル、ユベントスとセリエA3大クラブを率いた名監督の太鼓判が、強力な“推薦状”となった。

 名将の「高評価」が、長友のビッグクラブへの移籍を促していた。ザッケローニ監督と懇意のイタリア人パオロ・コンドー記者が、地元ガゼッタ・デロ・スポルト紙にこう明かした。「ザッケローニ監督は『長友はビッグクラブでプレーできる選手だ』と何度も繰り返していた」。その言葉をインテル関係者も耳にしており、契約の後押しになったようだ。

 長友のアジア杯でのプレーは、欧州でも評価を受けた。しかし、舞台はあくまでアジア。それがザッケローニ監督の「太鼓判」で評価が高まった。ACミランでセリエAを制し、インテル、ユベントスとビッグクラブを渡り歩いた名将の言葉の力は大きかった。同監督にとっても、アジア杯後にイタリアでのディナーを約束した長友のビッグクラブ移籍は何よりうれしかった。

 アジア杯も取材したコンドー記者も、長友について「一言で言えば“猛威”だ。突風のようにマークを外す。その速さは足が車輪になって走り回る一昔前のマンガを思い起こさせる。170センチと小柄だが、筋肉質でジャンプ力はすごい。ある意味、アジア杯で優勝を決めたのは彼だった」と、途切れることのない運動量を武器に、左サイドを支配したプレーぶりを評価している。

 1日付コリエレ・デロ・スポルト紙は「長友は歴史をつくった。インテルは今季終了後に完全移籍させるつもり。そうなれば長友の冒険もより展望が開ける」と報じた。ザッケローニ監督、そして多くのイタリアメディアが、活躍を予想している。

 [2011年2月2日8時24分

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