ブンデスリーガのシュツットガルトに移籍した日本代表FW岡崎慎司(24)が、「移籍紛争」に巻き込まれた。手続きの不備で、ベンチ入り予定だった12日のニュルンベルク戦はスタンド観戦。古巣の清水が移籍を承認せず、移籍の際に必要な国際移籍証明書(ITC)の発行を了承していないため、シュツットガルトの選手登録が滞っている。清水の早川巌会長(67)は13日、2つの理由を挙げて今回の移籍への不快感を表明した。

 岡崎の移籍問題に関し、清水の早川会長が春季キャンプ地の鹿児島市内のホテルで取材に対応した。クラブとしては「移籍を全く認められない」との見解を示し「強引に事が進んでいる。1度も(シュツットガルトから)直接コンタクトがない」と、不快感をあらわにした。現段階の対応としては先方に対し、文書で抗議文を提出。顧問弁護士を通して回答を受けたが、認識に大きなずれがあると判断し、7日にFIFAに「補償金支払いに関する申立書」を申請した。

 同会長によれば、岡崎の契約期間内における海外クラブ移籍の違約金は100万ユーロ(約1億1000万円)で、シュツットガルトとの契約開始日が1月31日であれば、相当額の違約金を要求する構えを見せた。アジア杯後に岡崎がカタールからドイツへ直行したことにも触れ「(チケットは日本)協会が手配したと聞いている。いったん、こっちに帰りなさいと言ったが、強引に(ドイツへ)行ってしまった」と、日本協会に対しても異議を唱えた。ただ岡崎本人には「一刻も早く(移籍問題が)解消されドイツのピッチで活躍してほしい」とも話した。

 [2011年2月14日8時33分

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