セリエAインテルミラノの日本代表DF長友佑都(24)が6月に古巣J2東京を電撃訪問し激励する意向を持っていることが9日、分かった。昨季J2に降格した東京は今季、大口スポンサーの東京電力が撤退。J2でもFW平山相太(25)、MF米本拓司(20)ら主力を故障で欠き、2勝1敗2分け7位と苦しむ。そんなチームに世界的プレーヤーに成長した長友の訪問は何よりの励み。長友はインフルエンザを発症し、8日のフィオレンティナ戦(ホーム)を欠場。チームは3-1で勝ち、来季の欧州CL本大会出場を決めた。

 4月上旬、イタリア・ミラノ市を訪問した東京の幹部が、長友に「クラブハウスに遊びに来い」と伝えたところ、快く承諾してくれたという。同幹部は「帰国後のスケジュールは忙しいと思うけど、来ると言っていた」と話した。

 明大時代、無名の長友を発掘したクラブが東京だった。人とのつながりを大事にする長友は、成長させてくれた古巣に恩義を感じている。MF石川にはひんぱんに連絡を取り、チーム状況などを聞いている。J2降格が決まった昨年12月の京都戦は早朝からインターネットなどでチェック。「本当につらいし悲しい」と、常に東京を気にかけていた。

 長友の所属事務所によると、インテルミラノはイタリア杯準決勝に進出しており、帰国は全日程が終了した5月末となる見込み。6月のキリン杯などを経て、約2~3週間は国内でオフになる予定。その間、広告企業訪問や取材などのスケジュールをこなす。東京には1週間ほど滞在する予定で、この期間にクラブや母校明大への訪問が可能。

 今春から清涼飲料水や大手ビールメーカーとCM契約を結び、25日には初の著書「日本男児」を発売。印税全額を東日本大震災被災者へ寄付するなど、復興支援活動にも積極的だ。飛ぶ鳥を落とす勢いの長友が、東京の逆風を吹き飛ばしてくれるかもしれない。