インテルミラノの日本代表DF長友佑都(24)が、長期離脱する可能性が出てきた。2日、成田空港着の航空機で緊急帰国。7月30日のセルティック戦で右肩を脱臼した長友は、左肩からかけた黒のサポーターで右腕をつり、左手でスーツケースを引いた姿で報道陣の前に現れた。ファンの激励に「ありがとうございます」と笑みさえ浮かべたが、表情は終始硬かった。

 東京時代の09年10月25日にも練習で右肩を脱臼。この時は9日後のナビスコ杯決勝に途中出場した。しかしこの日、長友は患部の感覚について「1回目が一番痛かったけど、中の方の具合としては今回の方が痛いです」と話した。空港に迎えに来た関係者は「これから検査なので何とも言えません」と説明したが、長友の言葉と表情には危機感が漂っていた。

 その後、成田経由で広島入り。広島空港では、報道陣の「まだ痛みはあるか」という質問に「ええ、まあ」と答え、急ぎ足で迎えの車に乗り込んだ。今日3日、広島市内の病院で肩関節の権威といわれる医師の元で精密検査を受ける。手術が必要と判断されれば、約2カ月の戦線離脱は避けられない。北海道の日本代表候補合宿を視察中の日本協会・原技術委員長は「手術するかしないかによる。明日にもその結論は出ると思う」と、検査結果次第で9月上旬のW杯アジア3次予選の2試合(2日北朝鮮戦、6日ウズベキスタン戦)に招集するか否かを決める意向だ。

 インテルは6日に中国でイタリアスーパー杯ACミラン戦を控える。イタリア紙によると、長友は帰国途中、ミラノからパリまでの機内で、同便だったチームメートのDFコルドバに「イタリアスーパー杯を持ってきてくれ」と頼んだという。日本が誇る左サイドバックの不在は、W杯を目指すザックジャパンにとって大きな痛手。検査結果が注目される。