【モスクワ23日=今村健人】CSKAモスクワの日本代表MF本田圭佑(25)が、右膝のケガを再発した。関係者によると21日の練習後に、8月28日に負傷して手術を受けた右膝に痛みを覚えたという。本田は検査を受けるため、22日にスペイン・バルセロナへ緊急渡航。同日の欧州CL・リール(フランス)戦は欠場した。その後、CSKAモスクワは公式ホームページで、検査の結果7~10日間の治療が必要だと発表。18日のロシアリーグ戦で約3カ月ぶりに復帰を果たした本田だが、再び戦列を離れる。

 本田の名前はどこにもなかった。発表されたリール戦メンバー。先発はおろか、ベンチにもいない。いや、モスクワにもいなかった。完敗だった試合後、CSKAサポーターから、いの一番に本田不在を問われたスルツキー監督は「膝のケガが悪化してスペインへ飛んだ」と説明した。会見でも「先発メンバーの問題で負けた。状況が厳しかった。本田は追加検査のためにスペインへ行った」とエース不在を嘆くしかなかった。

 右膝の異変を訴えたのは21日の前日練習後だった。午後6時から始まった公式練習に本田は1人、5分遅れて現れた。そのまま手を使ったパスゲームに加わり、さらにボール回しやミニゲームなどを約45分間、仲間とこなした。引き揚げるタイミングも同僚と一緒。足を引きずるそぶりはなかった。痛みを明かしたのはこの直後だったという。首脳陣と話し合った末に、翌22日、9月1日に内視鏡手術を受けたスペイン・バルセロナへ飛んだ。検査の結果、7~10日の治療が必要だと診断された。

 8月28日のスパルタク・モスクワ戦で右膝半月板を故障し、手術を受けてから約3カ月。復帰戦となった18日のルビン戦では、出場停止やケガ人続出のチーム事情から、氷点下のナイターかつ人工芝の中、いきなり90分間フル出場。1日のオフを経て20日は、15分間のジョギングでほかの選手を周回遅れにする姿も見せた。だが、右膝への負担は、やはり大きかった。

 地元紙の反応も大きく、スポルト・エクスプレスは「試合前日になって、唯一信頼できる本田を失った」と嘆き、ソビエト・エクスプレスはケガ人続きに「CSKAは、何かミステリアスな不運がつきまとい続けている」と取り上げた。

 これで、27日のロシアリーグのプレーオフ・アンジ戦の出場は絶望的。12月7日の欧州CL・インテルミラノ戦(ミラノ)も、経過次第では出場見送りとなる。完治に時間がかかる箇所だけに、再び長期離脱する可能性も出てきた。