<プレミアリーグ:ボルトン2-1クイーンズパーク>◇10日◇ボルトン

 アーセナルからボルトンへ期限付き移籍中の日本代表FW宮市亮(19)が、クイーンズパーク戦で移籍後初アシストで決勝ゴールを演出した。1-1の後半41分、中央でパスを受け、ドリブルでDFを引きつけて、FWクラスニッチへ決勝アシストを供給。ボルトンは宮市加入後、ようやくリーグ戦初勝利となった。

 調子が悪いなりにも役割を果たすところが並の19歳ではない。宮市はいつもの左サイドではなく、右MFとしてリーグ戦3戦連続フル出場。左MFには左利きのペトロフが入ったが、この布陣が機能しなかった。

 宮市は左右で勝手が違うのか、相手DFトラオレの執拗(しつよう)なマークにも苦しみ、得意の縦への突破がでなかった。普段、左サイドで見せる「右足でボールをまたいでフェイントしてから、左足アウトサイドで縦へボールを出してサイドライン際を駆け上がる」という得意のプレーも影を潜めたまま。ボルトンのネット放送のアナウンサーも「リョーとペトロフは左右でポジションを入れ替えた方がいい」というほどだった。

 それでも最後の最後に決定的なプレーを見せた。後半41分、宮市は右サイドから中央へ流れた。後方からのパスをDFと競り合いながら受けると、ドリブルしながら左前方のクラスニッチに右足でパス。これを同FWが決めた。コイル監督も「リョーの試合での闘争心は素晴らしい」と高く評価する不屈の闘志が最後に報われた。宮市はこの試合のMVPにも選ばれた。

 宮市がボルトンへ移籍してから、チームはここまでリーグ戦1分け4敗で、勝ったのはFA杯の2部ミルウォール戦だけだった。そんなチームのピンチに、宮市は自らのアシストで移籍後初白星を引き寄せた。昨季のオランダ1部フェイエノールト時代から、宮市が得点もしくはアシストを決めた試合は6戦全勝。不敗神話は生きていた。