<欧州リーグ:AIKソルナ2-0CSKAモスクワ>◇最終予選(プレーオフ)◇第2戦◇30日◇モスクワ

 【モスクワ(ロシア)8月31日=八反誠】CSKAモスクワの日本代表MF本田圭佑(26)が苦境に立たされた。ホームでのAIKソルナ(スウェーデン)戦に敗れ、2戦合計1-2でまさかの敗退。本大会出場を逃した。冬のビッグクラブ移籍に向け、欧州リーグでアピールするチャンスが消滅した。

 本田が欧州Lのステージに立てなくなった。ホームでの第2戦を0-2で取りこぼし、まさかの敗退。それも後半ロスタイム、同48分に敗退を意味する2点目を決められる悪夢のような展開だった。

 試合から一夜明けた8月31日にも、重い現実と向き合うことになった。欧州主要リーグの移籍市場はこの日で閉じた。CSKAの強化責任者ロマン・ババエフGMは、日刊スポーツの取材に「ホンダはCSKAの選手。移籍はない」と明言。この夏も残留することになった。冬のビッグクラブ移籍に向け、欧州リーグでアピールするチャンスがなくなったのは痛い。

 CSKAは、アウェーでの第1戦を本田のゴールで1-0と制していた。ホームで引き分けでも突破が決まった。しかし、内容で圧倒しながらゴールが遠い。トップ下でフル出場した本田も決定機で決めきれない。前半6分の失点は本田がボールを奪われるミスが発端となり与えてしまった。0-1で延長突入かと思われた中、左CKから致命的な失点。番狂わせに沸き返る相手と対照的に、本田は真っ先にピッチを後にした。

 試合後も問いかけには無言。ひと言も発することなく、帰りのバスへと急いだ。10年1月のCSKA移籍後、欧州CL、欧州L、欧州CLと、昨季までの3シーズンは欧州連盟(UEFA)主催大会でプレーし存在感を示してきた。しかし、ここから冬の移籍期間が開く半年間はロシアリーグでのプレーでアピールするしかなくなった。レベルはともあれ、欧州では注目度が高いとはいえないロシア。すでに肌寒く、秋の訪れを実感するモスクワで、本田はどうやって自らの価値を欧州ビッグクラブに知らしめていくのだろうか。数々の苦境を乗り越えて成り上がってきた本田が、試練の時を迎えた。