<セリエA:インテルミラノ2-1ナポリ>◇9日◇ミラノ

 日本代表DF長友佑都(26)の所属するインテルミラノが、強豪ナポリを下した。イタリアでの公式戦100戦目となった長友は、3-5-2システムの右MFとしてフル出場。節目の一戦での白星に貢献した。インテルはナポリを抜いて2位に浮上した。

 2010年にチェゼーナ入りしてから、イタリアでの公式戦通算100試合目を勝利で飾っても、長友は冷静だった。試合後、今の自分について聞かれると「もちろん成長はしているけど、成長速度は遅いと思っている。チームメートは素晴らしい選手が多いんで、吸収して、もっと成長したい」と謙虚に話した。

 それでも長友が今のインテルに欠かせない選手になっているのは間違いない。この日も本来の左サイドバックではない右MFでフル出場。前半から積極的に攻撃に関わり、後半はストラマッチョーニ監督の指示で守備的に戦い抜いた。同監督は右でも左でもMFでもDFでもできる長友がお気に入りだ。

 今季ACミランから、インテルへ移籍してきたイタリア代表FWカッサーノも長友には一目置いている。遠征先で他の選手と相部屋だった長友について「ヤツはもうボスの1人なんだから、1人部屋にしてやってくれ」とクラブに進言するほどだ。

 これでインテルはナポリを抜いて2位に浮上した。それでも長友は「(ナポリを倒して)自信はついた。ただ、この前もユベントス戦で勝った後に内容が悪い試合が続いた。ここはもっと引き締めないと。今日勝ったといってもスクデット(優勝)がとれるわけでもない。足元を見つめてやって行きたい」。主力が浮かれることはなかった。(波平千種通信員)