【ミラノ(イタリア)=波平千種通信員】日本代表DF長友佑都(26)が所属するインテルミラノとの契約を1年延長し、17年までとすることになった。クラブのブランカ強化部長が長友の代理人と会い、合意したと明かした。来年1月に正式発表される見通し。長友は18日のイタリア杯5回戦・ベローナ(2部)戦にフル出場し、2-0の勝利と8強入りに貢献。早期の契約延長はクラブ側の期待の高さをうかがわせた。

 長友が、ビッグクラブからの信頼を再び「形」で勝ち取った。昨年1月にレンタルで入団し、同7月の完全移籍時に16年まで5年間という長期契約。それを1年半後にはさらに1年延長させた。ブランカ強化部長は「すべて合意に達しており、1月にサインして正式発表する」と明言した。

 持ち前の豊富な運動量に加え、今季は新加入したFWカッサーノと仲良くなったのもピッチ上で好影響。攻撃に絡む場面も増え、チームの主軸に定着した。最近、ストラマッチョーニ監督から「私がこのチームを指揮してから最も成長した選手の1人」と、高評価されたばかりだった。

 クラブとしては現在のチームへの貢献はもちろん、将来的な移籍の可能性を含めて、長期契約の継続を決断したとみられる。同時に年俸も倍増するとも、伝えられている。

 長友はベローナ戦でも攻守に活躍。前半10分にはカッサーノからパスを受けてシュートを放った。後半8分には相手の反則を誘ってFKを獲得し、これがMFグアリンの追加点を導いた。交代枠を使い切った終盤にGKカステラッツィが負傷、FWパラシオが急造GKとなる危機には、体を張って守り通した。

 気迫あふれるプレーの裏で、途中から左足に痛みを感じながらもプレーを続けた。「選手を代えられない状況だったので」とどこまでも熱い。8強入りで、次はナポリとボローニャの勝者と対戦。「もちろん頂点を目指して頑張る」。現在2位につけるセリエAとともに、タイトル獲得への意欲をあらわにした。