元イングランド代表主将のMFデービッド・ベッカム(38)が16日、今季限りでの現役引退を表明した。昨年12月に米MLSのギャラクシーを退団後、今年1月からフランス1部リーグの強豪パリサンジェルマンでプレーし、19シーズンぶりのリーグ制覇に貢献。これを置き土産に「最高レベルにあるタイミングでやめるには今が適した時期」と第一線から退くことを決断した。イングランド・プレミアリーグの強豪マンチェスターUなどビッグクラブで活躍した世界的スター選手がピッチを去る。

 優勝請負人としてパリサンジェルマンのリーグ制覇に貢献したベッカムの意思は揺るぎなかった。所属クラブから1年の契約延長オファーを受けていたが、自ら「潮時」を決めていた。

 ベッカム

 現役を続ける機会を与えてくれたPSG(パリサンジェルマン)には感謝しています。しかしながら、最高レベルでプレーしている私のキャリアを終えるには、今が適したタイミングだと感じました。

 イングランド・プレミアリーグの強豪マンチェスターUを皮切りに、スペインの強豪Rマドリードでも活躍し、米MLSのギャラクシーでもプレー。4カ国のリーグで優勝に貢献できたという気持ちの達成感に満ちあふれていた。

 ベッカム

 マンチェスターUで主将を務めて、100回以上も母国でプレーした。またいくつかの世界的なビッグクラブでもプレーすることができました。それは、ファンタジーなこと。それらの夢を実現したので、私は幸運なのです。

 イングランド代表として計115試合も出場したことにも満足している。「私のもっとも輝かしい業績の1つは代表の主将を務めてきたことです」とベッカム。右足の正確なキック力を武器に代表チームを引っ張り、02年の日韓W杯では大きな人気を集めた。W杯には3大会出場。ヘアスタイルやファッションまで一挙手一投足が世界中から注目されていた。

 ベッカム

 私は、ピッチ内外でイングランドを代表することができて、光栄でした。私が関わったすべてのチームメートと、偉大なコーチ、監督たちに感謝したいです。私を支えて、私に成功する力を与えてくれたファン全員にも感謝したいです。

 00年代の世界のサッカーシーンを彩ったスーパースターは、大きな達成感を胸にスパイクを脱ぐ。

 ◆デービッド・ベッカム

 1975年5月2日、英国生まれ。母国のマンチェスターUを皮切りにRマドリード、ロサンゼルス・ギャラクシー、ACミラン、パリSGと各国の名門に所属、イタリア以外の4カ国で優勝を経験。イングランド代表主将を務め、W杯3大会(98、02、06年)出場。代表歴は115試合17得点。端正なマスクから「貴公子」と呼ばれ、エステのTBCなど日本のCMにも出演。家族は99年に結婚した元スパイス・ガールズのビクトリアと3男1女。自身の体に家族の名をタトゥーで刻むなど、流行の先端を走った。パリSGの給料(5カ月で400万ポンド=約6億3820万円)は全額、慈善団体に寄付。183センチ、74キロ。