<プレミアリーグ:マンチェスターU1-2ウェストブロミッジ>◇28日◇マンチェスター

 マンチェスターUの日本代表MF香川真司(24)がホームのウェストブロミッジ戦で今季リーグ戦初先発を飾ったが、得点に絡めず前半のみで退いた。リーグ開幕から5試合連続で出場機会がなかったが、左MFとして先発。25日のイングランドリーグ杯リバプール戦で先発出場してから中2日の過密日程の中でプレーだったが不発。チームも格下相手に敗れた。

 ほろ苦さが残る、今季リーグ戦初先発だった。リーグ戦開幕から5戦連続で出場機会すら与えられない苦境に見舞われていたが、ついに回ってきた先発の座。「必ずチャンスは来ると思う。そこで結果を出せるか」。繰り返し話していた香川だったが、ゴールにも絡めず0-0で終わった前半のみで退いた。

 1トップのFWエルナンデス、トップ下のFWルーニー、右MFナニの3人で構成された右サイドに攻撃が偏った立ち上がりから苦しんだ。パスを受けるために狭いスペースに入り込んでも、パスが出てこない。それでも、何度も何度もスペースに走り続けた。

 前半30分が過ぎるころに、パスが回り始めると同34分に魅せた。左サイドから中央のMFアンデルソンへドンぴしゃのクロスを上げ、アンデルソンのオフサイドを取られたものの、絶好機を演出。同38分には左足でミドルシュートを放ったが、ゴールネットを揺らすことはできなかった。

 22日の前節マンチェスターC戦で1-4の惨敗を喫したチームのために献身的に動いた。ただ、ゴールに絡むという「結果」でモイズ監督にアピールすることはできなかった。ボールに多く触れてリズムをつくる持ち味と、モイズ監督が求めるサイドの速い攻撃の不一致も不安点だ。

 この日はチームも敗戦。92-93年シーズンからプレミアリーグが創設されて以降、開幕6試合目の勝ち点「7」はクラブ史上最悪。香川にとっても、昨季王者マンチェスターUにとっても苦しい戦いが続きそうだ。(鈴木智貴通信員)