【モスクワ11日=益子浩一】日本代表のMF本田圭佑(27)が、今冬のビッグクラブ移籍について日刊スポーツの独占取材に応じた。所属先CSKAモスクワとの契約は年内で満了になるため退団が確実。日本代表の欧州遠征へと向かう空港でこの日、去就に関して「まだ決まっていない」と明かした。今夏に移籍目前になりながら電撃的に破談になったイタリアの名門ACミランの他、複数クラブが獲得に乗り出しているものとみられる。

 モスクワ郊外にあるシェレメチェボ空港。サングラス姿の本田は、ゆっくりとした足取りで出発ロビーに現れ、注目されるビッグクラブ移籍について閉ざしていた口を開いた。

 「現時点では、まだ決まっていないですね。いや、まあ、冷静に決めようとは思っていますけどね。フラットに見て(移籍先を決める)ということ。俺の口から話せるのは、今はそれだけです」

 今夏にはACミラン移籍が目前となっていた。本田も「(夏移籍は)大詰めを迎えている。個人条件もまとまりつつある」と明かしていた。だが最終的に移籍金などの面でCSKA側がかたくなな姿勢を崩さず、夏の移籍市場締め切り日となる9月2日までに正式合意できなかった。

 ミラン側は、CSKAとの契約が切れる来年1月にも再獲得に乗り出す方針を固めている。イタリアや日本の一部メディアは、既に本田とミラン側が1月の移籍に合意し、セリエAのリーグ登録も完了していると伝えているが、本田は「まだ何も決まっていない」と強調した。

 契約満了になれば移籍金が発生しないため、1月の市場では複数のビッグクラブが獲得に乗り出すものとみられる。現在もミランが移籍先の有力候補であるのは間違いないが、今季はセリエAで首位ローマに勝ち点19差の10位に低迷。来季の欧州チャンピオンズリーグ出場権を逃す可能性が高い。「フラットに見たい」と2度繰り返した本田は、他クラブからの接触があるかを問われると、「なかったら、こういう発言はしないでしょう。どこに行くかは、まだ分からないです」と答えた。本田は焦らず、じっくりと、移籍先を吟味していく。