<欧州CL:Aマドリード1-0バルセロナ>◇準々決勝◇9日◇マドリード

 バルセロナはAマドリードとのスペイン勢対決に敗れ、7季ぶりに4強入りを逃した。

 バルセロナは試合開始早々に失点すると、Aマドリードのしつこい守備にメッシとネイマールの最強コンビが封じられて完封負け。つい数年前まで最強と言われたチームが、準決勝を前に姿を消すことになった。

 ボール保持率で64%と上回ったが、横パスを回すだけで攻撃の形をつくることができなかった。メッシは運動量が少なく、走行距離はGKピントより1・5キロ長いだけの6・8キロ。ゴールを決めたAマドリードMFコケの約半分だった。

 マルティノ監督の采配にも不満が出始めた。後半27分に交代を命じられたイニエスタは「驚いたよ。でも監督の決断だから」と表情を曇らせた。バルサは18歳未満の外国人選手獲得に違反があり、国際サッカー連盟から今夏と来年1月の移籍市場での活動禁止処分を言い渡されたばかり。チームの雰囲気は良くない。

 それでも現在2位の国内リーグと、Rマドリードと決勝を戦うスペイン国王杯が残る。マルティノ監督は「リーグとカップ戦で我々はまだ生きている。大事なことは戦い続けることだ」。「バルサ時代の終わり」という周囲の声を、優勝で吹き飛ばしたい。(山本孔一通信員)