<スペイン国王杯:Rマドリード2-1バルセロナ>◇決勝◇16日◇バレンシア

 Rマドリードがバルセロナを下し、3季ぶり19度目の優勝を飾った。エースのクリスティアノ・ロナルド(29)をケガで欠いたが、1-1の後半40分にウェールズ代表FWギャレス・ベール(24)が決勝ゴール。今季1冠目を手にした。バルセロナは11年ぶりに公式戦3連敗を喫した。

 ベールが左太もも痛のロナルドの穴を完璧に埋めた。後半40分。左サイド、ハーフライン手前でパスを受けると、前方のスペースにボールを蹴って猛ダッシュ。相手DFバルトラに体をぶつけられ、1度はピッチ外へはじき飛ばされたが、驚異的なスピードで再度同DFを追い越してボールを奪い、決勝点を決めた。「決勝点はすごいことだけど、一番大事なことはチームがハードワークしたこと。誰もが今日の勝利にふさわしい」。ベールの一撃にスタンド観戦のロナルドも左拳を突き上げて大喜び。2人は試合後、抱き合って勝利をかみしめた。

 ベールは今季トットナムから移籍金9100万ユーロ(約127億円)で加入。同じように高額の移籍金でバルセロナに移籍したネイマールと比べられてきた。シーズン当初はネイマールに軍配が上がったが、ここに来てベールが公式戦6戦6ゴール。立場は逆転した。

 23日にはBミュンヘン(ドイツ)との欧州チャンピオンズリーグ準決勝第1戦を迎える。ロナルドの出場は微妙。それでもバルセロナのマルティノ監督が「試合終盤にあれだけの走りを見せるエネルギーを蓄えている選手を探すことの方が難しい」と脱帽したベールがレアルをけん引すれば大丈夫だ。(山本孔一通信員)