<ブンデスリーガ:ドルトムント4-2マインツ>◇19日◇ドルトムント

 マインツの日本代表FW岡崎慎司(28)が、今季3度目の2得点を決めた。前半14分、エリア外からの右ミドルが相手DFに当たり、コースが変わってゴール。後半8分には、相手のバックパスをかっさらい、流し込んだ。これで一昨季に香川が記録した日本人シーズン最多13点に並んだ。ギリシャ代表DFとの“W杯前哨戦”で持ち味の得点力が光った。

 劣勢の中で、岡崎が一瞬の隙を見つけ出した。2度も強豪ドルトムントを陥れた。1点を追う前半14分、ギリシャ代表パパスタソプロスのロングパスを味方が奪い、MFマリが左サイドから頭で中央にいる岡崎へ。準備が遅れたドルトムント守備陣の意表を突いた。前を向き、ペナルティーエリア外から放った右足ミドルシュートは、ドイツ代表DFフンメルスに当たってゴールへ吸い込まれた。

 欧州CL出場権をかけたマインツの戦い。その一方で“W杯前哨戦”を岡崎は繰り広げた。相手のセンターバックにはW杯1次リーグ同組のギリシャ代表DFパパスタソプロスが入り、何度もマッチアップ。前半33分、裏へのパスに並走。抜け出そうとするものの、相手の腕で転倒した。6分後には、岡崎へのパスに対して後方から足の裏を見せながらプレスにきたパパスタソプロスが、なぜか倒れる。球際で足と足がぶつかったとはいえ、不可解な判定で岡崎は警告を受けた。

 パワーだけでなく「ずる賢さ」でも守る相手に、岡崎も負けていなかった。2-1で迎えた後半8分。相手の不用意なバックパスを狙った。ボールをかっさらってGKもかわし、無人のゴールへ流し込む。「パワーだけじゃなくずる賢さもあった。より早く裏を狙うことが大事になる」とギリシャDFを体感しながらの今季3度目の2発に「ハットトリックしたかった」。2季前、ここドルトムントでFW香川が達成した日本人最多得点13点に並んだ。2-4で敗れるも、いい状態のままシーズン最後まで走り抜ける。【栗田成芳、鈴木智貴通信員】