日本代表MF香川真司(25)が所属するマンチェスターUが22日、デービッド・モイズ監督(50)の退団を発表した。今季から監督に就任したが、首位リバプールと勝ち点23差の7位に沈み、19季ぶりに来季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場を逃すなど低迷。6年契約を結んでいたが、1年持たずに解任された。残りリーグ戦4試合は、選手兼コーチを務めるMFライアン・ギグス(40)が指揮を執る。

 マンチェスターUのモイズ監督は、就任から295日で終わった。退団を伝えた公式発表は、たった2行だった。午前8時半「モイズはマンチェスターUを去る」とリリースした。英各紙によると、午前8時にウッドワード副社長がモイズ監督に直接会い、成績不振による解任を提示したという。今季残りのリーグ戦4試合は、選手兼任コーチを務める元ウェールズ代表MFギグスが暫定的に指揮を執ることも発表した。

 輝かしいクラブの歴史に、汚点を残した。27季にわたって指揮を執り、2度の欧州制覇と13度のリーグ優勝を飾ったアレックス・ファーガソン前監督が、昨季限りで退任。モイズ監督は昨年7月に6年契約を結んだが、1シーズン持たなかった。昨季優勝したクラブは今季、数々の不名誉な記録を作った。特に、ホームで弱さを露呈した。ここまで16戦で7勝3分け6敗と、勝率は5割以下。ホーム戦だけの成績ではプレミアリーグ11位タイと“過去最弱”になってしまった。

 来季の監督人事の報道は、既に過熱している。英ミラー紙は、香川をよく知るドルトムントのクロップ監督を挙げる。香川は今季、ベンチを温めることも多く、無得点と苦しんでいるが、クロップ監督の就任は、香川の残留に追い風となる。

 一方、英サン紙は、W杯後の退任が決まっているオランダ代表のファンハール監督が、来季の監督に就任したいと話していると報じた。Bミュンヘンのグアルディオラ監督も候補とされており、後任人事も注目される。<モイズ監督不名誉記録>

 ◆最少勝ち点

 プレミアリーグ創設の92-93年以降、シーズン最少勝ち点(75点)を下回るのが確定(残り4節で57点)。

 ◆最多敗戦

 プレミアリーグ創設以降、シーズン最多敗戦記録(9敗)を更新(残り4節で11敗)。

 ◆CL途絶える

 リーグ5位以下が確定し、欧州CL連続出場が18季でストップ。

 ◆本拠地連敗

 3月にホームでリバプール、マンチェスターCに敗れる。オールドトラフォードでの2連敗は02年以来。

 ◆公式戦3連敗

 新年早々、トットナム(リーグ戦)スウォンジー(FA杯)サンダーランド(イングランド杯)と3連敗。3連敗は01年以来。

 ◆格下に負けた

 ▽スウォンジーに本拠地で初黒星▽ニューカッスルに本拠地で72年以来▽ウェストブロミッジに本拠地で78年以来▽ストークに84年以来▽エバートンに本拠地で92年以来▽エバートンにリーグ戦2敗は69-70年シーズン以来の敗北▽欧州CLでオリンピアコスに敗れ、ギリシャのクラブには初めて。