<ベルギーリーグ:スタンダール3-0シャルルロワ>◇25日◇リエージュ

 スタンダールの日本代表GK川島永嗣(31)が、ベルギーリーグ5年目のシーズン開幕を完封で飾った。ホームにシャルルロワを迎え、快勝。川島はフル出場し、好セーブを披露した。W杯1次リーグ敗退の悔しさを胸に秘め、世界基準の守護神を目指して、さらなる4年へリスタートを切った。

 ビッグセーブにも、川島は表情を変えなかった。3点リードして迎えた終盤、連続してピンチを迎えた。後半39分には、相手の右CKを味方がクリア。こぼれ球を拾われ、ペナルティーエリア外から枠内ミドルシュートを打たれたが、体を伸ばし右手1本でセーブ。直後の同40分には右CKからのヘディングシュートをしっかりキャッチした。

 2位に終わった昨季から主力が相次いで移籍する中で、守護神らしく安定感あふれるプレーは光った。「開幕戦って、準備が整って始まるという感じじゃない。そんな中でハードワークもしたし、シンプルにプレーできた分、うまくゲームを簡単に運ぶことができた」と満足そうに話した。

 10年W杯直後、川崎Fからリールセ移籍。12年夏にスタンダールへ移り、ベルギーで5年目を迎えた。「2010年は、後先考えないでただ必死にやっているだけだった。ただ4年間ベルギーでやっているということは、確実に積み重なっているなという実感がある」。2度目のW杯、先月のブラジル大会は1次リーグ敗退という不本意な結果に終わった。だが、その悔しさはもう胸にしまい込んだ。口にするのは新たな刺激であり、チャレンジ心だ。

 ドイツGKノイアー、メキシコGKオチョア、コスタリカGKナバスら、GKの活躍が目立ったW杯から「いい意味で注目されて、可能性が新たに示された大会だった。周りを見て学ぶこともあるし、自分は自分のよさを出していかないと意味がない」。そして今の目標は欧州チャンピオンズリーグ(CL)。30日には、予選3回戦のパナシナイコス(ギリシャ)戦が控える。「この挑戦は自分にしかできない。世界レベルの中で(力を)示すのが、自分の位置付けになる」。

 チーム最年長の31歳。風格が漂うが「そっか、俺が一番上か。気持ちは若いから大丈夫です」。まだ見えぬ新たな4年へ、確かな1歩を踏み出した。