<欧州L予選3回戦:マインツ1-0アステラス>◇7月31日◇マインツ

 マインツの日本代表FW岡崎慎司(28)がいきなり決めた。W杯ブラジル大会後、初の公式戦となる欧州リーグ予選3回戦・第1戦アステラス(ギリシャ)戦で決勝ゴールをたたき込んだ。W杯で惨敗した悔しさを糧に、一層の飛躍を期す点取り屋は、アギレジャパンでのレギュラーFWの座を譲るつもりはない。

 初戦から岡崎の「らしさ」全開だ!

 前半45分、右クロスを中央の韓国代表MF具滋哲が頭で競ると、こぼれ球が目の前にきた。真っ先に反応した岡崎は猛然とスライディングし、右足で押し込んだ。「よく体が動いたなって感じです。自分が(他の選手より)先に飛んでたんで。ゴールを狙ってるからそういうところで反応できたと思う」。W杯でのギリシャ代表のように徹底的に引いて守る同国のアステラスを相手に、少ない好機を逃さなかった。

 アギレジャパンでは絶対にFWのレギュラーを取る意気込みだ。ザックジャパンでは本来の位置ではない右MFとして起用された。「若いころは器用に何でもこなすことも必要」と考え、文句も言わずに結果を出し続けた。

 だが、決して満足していたわけではない。「(次のW杯までに)28~32歳になるにあたって一番必要なのは、自分のストロングポイントをもっとモノにすること。それはやはりゴール。ゴール前が自分の強さだと思う」と、今季からはよりFWにこだわる。この日は前半は1トップ、後半は3トップの一角としてフル出場。マインツのヒュルマンド新監督も「FW岡崎」の攻撃力を生かすセットプレーを用意しているという。

 第2戦は7日にアウェーで行われる。岡崎は「きついっすね、ギリシャのアウェーは」と相手の堅守を予想するが、欧州リーグ予選プレーオフへ進めるかどうかはその活躍にかかっている。「裏を狙ってリズムを作れないとき、相手を背負ってボールを受けるクオリティーが自分には足りない。課題は分かっている」と冷静に分析。日々の成長をクラブ、そして日本代表の勝利へとつなげるつもりだ。【鈴木智貴】