過去8カ国で監督経験がある元日本代表監督のジーコ氏(61)が、今度はインドで指揮を執ることが8月31日、決定的となった。10月に開幕するインド・スーパーリーグのFCゴアからオファーを受けており、受諾すれば9カ国目の海外挑戦が始まる。ブラジルのグロボ紙は「インドのFCゴアに、フラメンゴで最も偉大なアイドルを雇う野心的な計画がある」と報じた。

 ジーコ氏は、今年1月までカタール1部アルガラファを率いていたが、成績不振で解任されていた。現在はブラジルのリオデジャネイロで解説業や選手養成に取り組んでいる。今月2日まで、日本とブラジルの中学生年代(U-15)のサッカー大会「日伯友好カップ」を開催中で、終わりしだい、インドへ渡って正式契約を結ぶ見通しという。インドのタイムズ・オブ・インディア紙も「ブラジルの伝説と既に接触し、関心を持たれた」と伝えている。

 インド・スーパーリーグは今年発足した10~12月の短期リーグ。同国代表が、将来のW杯出場を視野に入れての振興目的で、元イタリア代表MFデルピエロや元フランス代表FWトレゼゲら、ビッグネームを相次いで獲得し話題になっている。FCゴアはインドの富豪が経営。インパクトある監督人選を進めていた中で、世界的に有名だとして、白羽の矢を立てた。

 ジーコ氏は00年に自ら創設したCFZ・ド・リオの監督を皮切りに、02~06年の日本代表監督や11~12年のイラク代表監督を歴任。08年にはトルコ1部フェネルバフチェを初の欧州CLベスト8に導いた。インドは、日本代表監督時代の04年9月8日に、W杯ドイツ大会アジア1次予選で訪れたことがある。日本でも根強い人気を誇るジーコ氏が、新天地に渡るのか、その決断が注目される。

 ◆インド・スーパーリーグ

 初年度は8チームが参戦する同国1部リーグ。10~12月の日程でFCゴア、FCプネシティ、ケララ、コルカタ、チェンナイ、デリー、ノースイースト、ムンバイが優勝を争う。短期間で高給が得られる点が魅力とされ、デルピエロ(デリー)やトレゼゲ(FCプネシティ)のほか、元スウェーデン代表のMFユングベリ、元スペイン代表DFカプデビラが移籍を表明。ジーコ氏と交渉中のFCゴアは元チェコ代表FWスレピチュカの加入を発表した。