<セリエA:ローマ0-0ACミラン>◇20日◇ローマ

 ACミランの日本代表FW本田圭佑(28)が2014年の戦いを終えた。リーグ2位の強豪ローマと対戦。チームは退場者を出しながら引き分けた。本田はこれで9戦ノーゴール。ミラン移籍、W杯ブラジル大会で惨敗したこの1年間を自己評価し「5段階でいったら(下から2番目の)4くらいになる」と“落第点”をつけた。

 見せ場は前半2分の惜しいミドルシュートだけだった。本田は思い切りよく左足を振り抜き相手GKを慌てさせた。その後はミスも目立った。後半28分に交代。21日付イタリア紙ガゼッタ・デロ・スポルトは5点と低評価で「ボールを失うこと13回。そのうち2度はカウンターとなり、もう少しでローマの得点に」と指摘した。開幕から7戦6発と量産モードが一転、以降は9戦不発。これが今季半分を終えた成績だった。

 試合後は区切りと感じたのかアウェーにもかかわらず、大いに語った。優勝を公言したW杯は1勝もできなかった。セリエAでは序盤に得点を量産した。この1年を「自分としては飛躍というものをテーマにここに来たんで、それを自分で評価すると5段階で言ったら(下から2番目の)4くらい。W杯であったり、前半戦はうまくいかなかった。後半戦はまずまずといっても、ここ最近得点が取れていないという課題が残っている」。いつも通り自分には厳しい点をつけた。

 一方で、昨季は途中加入でリーグ14戦1得点。今季ここまで同16戦6得点。得点力アップは明らか。厳しいマークを乗り越え、再び量産モードに入った時、さらに成長できると信じる。

 「これを乗り越えれば、たとえば他のリーグに行ったり他のチームに行ったりしたら、こんなに苦労することなく点を取れると思う。確かに壁は大きいが、これを何とか乗り越えたい。ちゃんと1歩ずつ進めている実感はあるんで、悲観する必要はない」

 ここからは連覇のかかるアジア杯モードとなる。インザギ監督は、来年1月に背番号10がチームを離れることに「この3カ月間、本田は信じられないような活躍をした。彼のいない間プレーする選手は不在を嘆かせないようにしなければならない」とまで口にした。クラブでも代表同様の信頼を得た男は「アジア杯はまた別の戦い」と切り替えた。29日から始まる代表合宿に間に合うように帰国する見込みだ。【波平千種通信員】