[ 2014年2月8日9時31分

 紙面から ]公式練習で、情感たっぷりに演技する浅田(撮影・井上学)

 真央が五輪史上初?

 の“衣替え”で魅せる-。今日8日のフィギュアスケート団体戦女子ショートプログラム(SP)に出場する浅田真央(23=中京大)が、団体と個人の2つのSPで別の衣装を着ることを明かした。団体戦は今大会から実施で、1つのプログラムに2枚のコスチュームを投入すれば初の挑戦。団体戦は6日の男子SP、ペアSPで13点を獲得して4位につける。7日の練習でも好調さを維持。最高のスタートを切った勢いにも乗り、メダル獲得にも貢献する。

 ソチに入って3日目、3度目の公式練習でも好調ぶりは変わらない。暖かい日差しが差し込む練習リンクで、浅田が「やっと自分のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に戻ったと思う」という代名詞は、この日も健在。4本を跳んで3本を成功させた。夜の開会式は欠場し、起用の発表があった団体女子SPに備える。「ドキドキ、ワクワク、いろいろ交じっている」と試合を心待ちにした。

 実は楽しみなプランがある。「ショートの衣装は2回滑るので、2枚使おうと思っているんです。それぞれ違うのを着ようと」。ソチの夢舞台での驚きの計画を温めていた。「ワクワク、ドキドキ」の一部にはそれもあった。

 今季はSPだけで3枚の衣装を着用してきた。審判、関係者などの評判を聞き、印象による得点の出方を探るため。どれも好評だったが、今日の団体SPは、昨年12月のGPファイナルで着用した藤色から濃い紫へグラデーションがかかった衣装を使う。個人戦のSPでは、昨年10月スケートアメリカから使う淡い藤色のものを選ぶ予定。どちらもお気に入りで、五輪で見てほしかった。

 団体戦は6日の男子SPで羽生が1位、ペアで木原・高橋組が8位となり、13点の4位につけた。小林監督も「予想以上の成績」という最高の流れで、出番を迎える。フリーには参加10カ国中5カ国しか進めないため「緊張もしていますが、楽しみでもあります」と前向きに話した。

 5日の現地入り後、6日の初練習では1発目でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功したのを皮切りに、納得の練習が続く。同監督も「きれいなアクセルを決めている」と信頼を寄せる。その期待に応えることは、個人戦にもつながる。「良い演技をして、シングルにつなげたい」。その舞台では違う衣装をまとった、また違う自分を表現する。【阿部健吾】