[ 2014年2月18日12時9分 ]2回目の飛躍を終え、竹内(中央)と抱き合う葛西。右は清水(共同)<ソチ五輪:ジャンプ>◇17日◇男子団体(HS140メートル、K点125メートル)

 ジャンプ男子団体の竹内択(26)は17日の競技終了後、記者会見などで、アレルギー性肉芽腫性血管炎の可能性が高いと診断されていることを明かし「同じ病気で苦しんでいる人に、元気を与えたいと思って飛んだ。念じればかなう」と語った。

 この病気は手足のしびれや筋肉痛などさまざまな症状が出て、薬で治まっても再発することがある。竹内は体調を崩し、1月に入院。「五輪に出られないのでは、との気持ちもあった」

 だが出場への思いは強く、病室でもトレーニングを重ねた。母は心配しながらそっと見守り、父は息子の写真を大きく引き伸ばして胸に金色の紙を貼り、病室に飾ってくれたという。

 会見で葛西紀明(41)は「旅行に行ったり、ワインを飲んだりと仲がよく、互いに刺激を受けながら一緒にやってきた。択が一番つらいと分かっていたので、病気のことを考えると僕も涙が出ることがあった」。伊東大貴(28)も「ソチには間に合わせてくれると信じていた。そういう思いが択にはあった」と振り返った。

 竹内は「結果を残してから公表しないと言い訳になる」と考え、これまで詳しい説明をしてこなかった。「たくさんの人に支えてもらった。本当に感謝しかありません」