夫婦そろって玉乃光愛飲家という吉崎広江さんは「季節のフルーツやジュースを合わせればカクテル気分で楽しめます。日本酒を身近に感じることができるんですよ」と普段日本酒を飲まない人や女性にも勧める。
「みぞれ酒」のイロハから、家庭でのお手軽「みぞれ酒」の作り方、レシピや楽しみ方を紹介する。
専門店で作る酒のシャーベット
この「みぞれ酒」をおいしく作るには、どんな日本酒でもいいという訳ではない。アルコールを添加した酒だと、凍らせることで酒の味が変わってしまうこともあるので、「みぞれ酒」には純米酒がベストなのだ。まさに玉乃光だからできる飲み方だ。
では、この「みぞれ酒」用のお酒とは一体どのようなものなのだろう。同酒造によると、「自家精米した山田錦などの酒造好適米をふんだんに使って醸した純米吟醸酒」とのこと。この酒はフレッシュな味と香りが印象的だが、これは低温で貯蔵し低温で充填した効果とのことだ。また、パック容器による「みぞれ酒」の製法は、同酒造の特許となっている。(特許 第3305582号)
家庭でお手軽「みぞれ酒」の作り方
このように、店舗では冷やしたデキャンタやグラスに注ぐと、液体がフローズン状に変わった。
では、この「みぞれ酒」。お店のように綺麗にできないにしても、「誰でもご家庭で手軽に作ることができますよ」と前述の吉崎さん。では、次にコンビニでも手軽に買える「純米吟醸 玉乃光 アルミ缶」や「純米吟醸 玉乃光 冷蔵酒 パック入り」を使った「みぞれ酒」の作り方を吉崎さんに聞こう。
主婦がつくる、たのしくおいしい「みぞれ酒」
去年の夏は本当に暑かったですね。温暖化と言うよりも、亜熱帯化という感じでした。暑い夏にはビールでというのは定番ですが、ビールはビールとして飲むしかなくて、ちょっとお客様のおもてなしには「またビール?」感があって困っていました。そんなとき、友人と行った居酒屋さんに、シャーベット状のお酒があって、「これだ!」って思いました。実は、お米だけで作った日本酒は、どういうわけだか霙(みぞれ)状に凍るって聞いて、ちょっと興味があったので覚えていたのです。すぐにお店で作り方を聞いてみました。 家庭の冷蔵庫でもできるそうです。メモした内容はこんな感じです。 | |
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- 1.冷蔵庫と冷凍庫の温度を測る。冷蔵庫は5度、冷凍庫はマイナス20度ならOK。そうでなければ調節する。
- 2.まずは「純米吟醸玉乃光アルミ缶」を、一昼夜(24時間)冷蔵庫に入れて5℃くらいに冷やす。
- 3.次に、アルミ缶の中蓋をはずしたあとポリの外蓋をきちっとして冷凍庫に移し、かっきり1時間半待つ。(キッチンタイマーの出番)このとき、デキャンタとグラスも冷凍庫で同じく1時間半冷やしておくのを忘れない様に。
- 4.ぴったり1時間半たったら、缶とデキャンタを取り出して、アルミ缶のポリ蓋をとってちょっと高いところ(20~30センチ)から冷えたデキャンタに注ぐ。
- 5.すると不思議!冷えたデキャンタにぶつかるショックにより、みるみる内に、液体のお酒がみぞれ状に変化して、「みぞれ酒」の出来上がり! 家庭用冷蔵庫は庫内の温度がかなり変動するようです。ここでは一例として温度設定を紹介しましたが、ご使用の環境や冷蔵庫に合わせて、それぞれ最適条件の設定をお願いします。
- 6.グラスに移して、「みぞれ酒」を目で舌で味わう!!!
※紙パックのお酒で作るときには、冷蔵庫に入れる時間は丸2日、冷凍庫に入れる時間は2時間に変更。
でも、私は温度計で測ったり1時間半で取り出したりできないので、中蓋をとってプラ蓋のみにしたアルミ缶をいきなり冷凍庫に放り込んで、しっかり凍るまで忘れておきます。その後、飲む直前に取り出して、水道の水で少し流し解凍し(これが微妙に数秒から1分)
なお、「みぞれ酒」には、薄いレモン・スライスを乗せる、あるいは、沖縄のシークヮーサー液を2~3滴垂らすと、爽やかさが一層引き立ちますよ。もちろん、お好みのフルーツジュースできれいなカキ氷ならぬ「みぞれ酒カクテル」も楽しいです。ワイワイ女の子の集まりのときに、いろいろ試して楽しんでいます。面白いので、一度ぜひ試してみてくださいね。
気分はカクテルパーティー
「みぞれ酒は家庭でも手軽に作ることができますよ」。ホームパーティーで「みぞれ酒」を楽しむという吉崎さんは、いろいろなジュースをブレンドして様々な日本酒カクテルを提案する。「玉乃光のお酒はスッキリしているので酸味あるものが合います」。吉崎さんがそう言って用意した材料はバラエティー豊かだ。
次に「みぞれ酒」レシピの一例を紹介する。
洋酒度
日本酒と思えない色合いと酸味。ブドウ系やイチゴ系のジュースに共通の酸っぱさがシンプルな玉乃光の旨みとマッチする。
穴ウマ度
純米酒のスッキリ感に乳酸が嫌みなく絡む。絹のような喉ごしが爽快。濃い目のプレミアム・カルピスなら更に深みが増す。
シブイ度
シンプル・イズ・ベストな味。純米酒のすっきりした旨さを、ほのかにレモンの酸味が包み込む。ソルティドック風にグラスの縁に塩をぬって飲むのもいい。
セレブ度
100%の白桃特有のフルーティーなとろみが冷酒のキリリと冴えた味わいと絡み、ほのぼのした飲み口に変化。ほんのり漂う香りで、気分はセレブ。
北欧度
北欧に咲く花のエキスを抽出したジュースの元。濃い蜂蜜レモンのような味わいが、玉乃光のスッキリ感にうまくマッチする。
沖縄度
沖縄でもっともポピュラーなジュースが手軽に購入できるようになった。柑橘系の酸味が玉乃光のスッキリ感に絡むご機嫌な爽快感。
肝心なのは楽しむこと
「みぞれ酒」用の酒は、玉乃光で正確に高精白した酒造好適米と、手造りの米を用いて低温発酵させて造っている。増量用の糖蜜アルコールは無添加のため、良質酒米由来のきれいな酸味が生きているのだ。だから旨味と酸味のハーモニー、フルーティーな香りが楽しめる。
この酒を凍らせて作った「みぞれ酒」は何も混ぜることなく、そのままシンプルにいただくのも旨い。ただ、吉崎さんはお酒を楽しむ方法の1つとして「みぞれ酒カクテル」を勧める。「パーティーなどで大勢が集ったら、みぞれ酒は喜ばれます。様々なジュースを並べることで、見た目にも綺麗だし、いろいろな味を試すことが楽しいから」と話す。また、「レシピは割るジュースの数だけ無限にあります。自分が1番おいしいと感じるメニューを探すのも一興」と一人であれこれ試す楽しさも付け加えた。肝心なのは楽しむことなのだ。
どれをブレンドしようか迷い、心は躍る。透明なグラスの中央で、繊細なみぞれ状になった芯は凍り、周りは少しずつ溶けて、冷気を放つ。水っぽくなくひんやりした口触りは至極の快感だ。この夏、あなたも家庭でお手軽に「みぞれ酒」を試してみませんか--。