仁川アジア大会(韓国、10月4日まで)の開会式が19日夜、仁川競技場で行われた。大会のメーンスタジアムとして新設され、約6万1000人を収容する。ほぼ満席の場内では、伝統衣装に身を包んだ一団のパレードや踊り、12人組の人気男性グループEXO(エクソ)のライブパフォーマンスが行われ、開始直後から歓声に包まれた。

 86年ソウル、02年釜山大会に続いて韓国では3度目の開催。日本、北朝鮮など45の国と地域から約1万人が参加する。韓国の朴槿恵大統領も来場し、ステージで韓流スターがダンサーや地元の子供たちと歌唱を繰り広げた。場内の大型スクリーンに流される映像では、万里の長城(中国)やタージマハル(インド)などアジア各国の世界遺産もVTRで紹介された。

 開催国の国旗掲揚とアンセム歌唱が終わると、各国選手団の入場行進が始まった。ネパールを先頭に、日本は29番目に登場。旗手の川中香緒里(ロンドン五輪女子アーチェリー団体銅メダル)を先頭に、主将の三宅宏実(ロンドン五輪重量挙げ銀メダル)らが手を振って歩いた。続いて北朝鮮が入場すると、場内に大きな歓声が沸き起こった。36番目に登場したカンボジア選手団の中には、11年に同国国籍を取得し男子マラソンに出場する猫ひろし(37)の姿もあった。

 選手団入場が終わると、朴大統領が開会を宣言。プロ野球元巨人の李承■氏ら韓国スポーツ界のスターが聖火をつないだ。「アジア全域で愛される人物」との情報以外は伏せられ、注目されていた最終点火者は、人気ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」に主演した韓国のトップ女優イ・ヨンエ(43)。聖火台に火をともすとスタジアムに花火が上がった。最後は男性ダンサーPSYの大ヒット曲「江南(カンナム)スタイル」で式を締めくくった。

 14日から先行開幕している男女サッカーを含む36の競技は翌20日から順次開始。日本は712人の選手が参加し、10年広州大会のメダル総数216を上回る成績を狙っている。※■は火へんに華