仁川アジア大会の水泳会場で競泳男子の冨田尚弥選手(25=チームアリーナ)が韓国メディアのカメラを盗んだ事件で、仁川地検は29日、同選手を窃盗罪で罰金100万ウォン(約10万円)の略式起訴処分とした。冨田選手は即日納付した。地検が明らかにした。

 地検は韓国法務省に冨田選手の出国禁止処分の解除を要請。処分は近く解除され、冨田選手は帰国する見通しとなった。

 地検は「本人が日本選手団から追放されるなどの社会的制裁を受け、被害者側が処罰を望んでいない事情も考慮したが、韓国人と同等の基準を適用すべきと判断した」と説明。被害品が800万ウォン(約83万円)と高価なため起訴猶予は見送ったもようだ。

 起訴内容によると、冨田選手は25日にチームの応援で訪れた文鶴水泳場の記者席でカメラを盗んだ。26日夜から事情聴取され、容疑を認めた。

 日本オリンピック委員会(JOC)は27日に冨田選手を日本選手団から追放。競泳チームは帰国したが、冨田選手は選手村で待機を命じられた。