「無言実行」から「猪突(ちょとつ)猛進」へ-。仁川アジア大会(19日開幕)に向けた競泳日本代表の静岡合宿が12日、公開された。萩野公介(20=東洋大)は個人メドレー、自由形、背泳ぎと個人6種目、リレーと合わせて最大8種目への出場が決まった。

 今季は4月の日本選手権でケガ、6月のジャパン・オープンで体調を崩した。先月のパンパシフィック選手権前は多くを語らない「無言実行」の姿勢で個人メドレー2冠を達成。前週のインカレでは200メートル個人メドレーで自身の日本記録更新と好調を持続する。

 アジア大会の目標は、複数の金を含む全種目のメダル獲得。本命の個人メドレーでは「大幅に自己ベストを更新したい」と、自信から有言実行を解禁した。前日にはイノシシ鍋を食べた。イノシシは牛よりビタミンB1が多く、カルシウムも2倍と栄養満点。「おいしかった。羊も好きだし、肉なら何でもいい」。この日も元気いっぱいに泳いだ。

 過去の日本人の常識を超えた多種目挑戦が続く。「アジア大会では個人の1日2種目は初日のみ。毎日(2種目)ないと暇だし、寂しい」と周囲を笑わせるほどの余裕もできた。メダル&記録へ、今はイノシシのように突き進むだけだ。【田口潤】