レスリングの女王、吉田沙保里(31=ALSOK)が、体重増でアジア制覇を目指す。世界選手権(ウズベキスタン)で「世界15連覇」を果たした吉田ら女子日本代表が15日、金メダル4個を手に帰国。53キロ級で優勝した吉田は試合直前に51・7キロまで体重が落ちたことを明かし、55キロ級で4連覇を狙うアジア大会(19日開幕、韓国・仁川)に向けて「ご飯をたくさん食べて臨みたい」と話した。

 吉田は中国や韓国らアジアの強豪が「2番手」を出してきた世界選手権を振り返って「アジア大会はもっと強い選手が出てくる。楽しみです」と話した。初めて53キロ級で臨んだ世界選手権は失ポイント0の完勝だったが、体重は落ちすぎていた。「今は54キロぐらいあるので、大丈夫です」と話したが、28日の試合までに体重増が課題となる。

 栄監督は「吉田は練習をするから、食べても体重が増えない。この階級で1、2キロは大きい。若い時と違って体重コントロールも難しいし」と不安を口にしたが、吉田は「4連覇できるように、うまく調整していきたい」と自信たっぷり。75キロ級以外は旧階級で争われるアジア大会。昨年末の全日本選手権を最後に53キロ級に肉体を改造してきた吉田が、再び元の体に戻してアジアの頂点を目指す。【荻島弘一】