【仁川(韓国)17日=益田一弘】競泳男子の萩野公介(20=東洋大)が、完全アウェーで韓国の英雄を打ち破る。仁川アジア大会(19日開幕)を前に現地入り。本番会場で初練習を行った。5コースのスタート台に立ち「(プールと台が)一直線になってない」と首をかしげたが「ちょっとずれているぐらいで関係ない」と笑い飛ばした。

 会場名は「朴泰桓(パク・テファン)水泳場」。朴泰桓(24)は、08年北京五輪の400メートル自由形で金を獲得した韓国の英雄。現役選手でありながら会場の名前になるほど、母国の期待を集めている。

 萩野は「朴プール」での対決に「それほど偉大な選手というのは分かる。一緒に戦うのが楽しみ。胸を借りるつもりで、すべての力を出し切って勝負したい」。8月のパンパシフィック選手権では同種目で朴に敗れて2位。「完敗でした。前半に遅く入ったので、速めにしたい」と雪辱に燃える。

 今大会はリレーも含めて最大8種目に出場予定の怪物も、自由形では挑戦者だ。朴との対決は21日の同200メートルと23日の同400メートル。敵地プールに「萩野」の名を刻み込む構えだ。