仁川アジア大会は19日、開会式が行われる。すでにサッカーは14日から先行開催。10月4日の閉会式まで36競技で熱戦が繰り広げられる。競泳では12年ロンドン五輪男子400メートル個人メドレー銅メダルの萩野公介(20=東洋大)が個人6種目、リレーと合わせて最大8種目に出場する。目標は金を含む全種目のメダル獲得。2年後の16年リオデジャネイロ五輪に向けて、重要なステップを踏む。

 待ち切れない。最大8種目出場となる仁川アジア大会が迫る。昨夏の世界選手権(スペイン)先月のパンパシフィック選手権(オーストラリア)に続く国際大会の多種目挑戦。「だいぶ慣れてきた。毎日、2種目くらい泳がないと、暇だし、寂しい」。そんな軽口が出るほど、心身ともに充実している。

 好調を保つ。先月のパンパシフィック選手権は個人5種目と800メートルリレーに出場。金メダル2個、銀メダル3個を獲得した。その2週間後の日本学生選手権(横浜)では個人メドレー2冠を奪取。200メートル個人メドレーでは1分55秒33と自身の日本記録を0秒05更新した。

 本命の個人メドレーは金メダルはもちろん、記録更新にこだわる。400メートルは世界歴代5位の4分7秒61の日本記録を持つ。世界記録はフェルプスの4分3秒84。8冠を獲得した08年北京五輪で当時は高速水着を着用。ハイレベルな世界記録だが「大幅にベストを更新して、4分4、5秒台を出したい」と金メダル&日本記録更新を誓う。

 世界選手権と重なるなど一線級が出ない競技もあるが、競泳は萩野をはじめ、ライバルで昨夏世界選手権400メートル個人メドレー金メダルの瀬戸大也(20=JSS毛呂山)ら看板選手がそろう。前回10年広州大会は金メダル9個に終わったが、今大会は大幅増を狙う。平井伯昌監督(51)は「アジア大会で勝てなければ、五輪でメダルは取れない。勝負はもちろん、記録も狙って欲しい」と2年後のリオ、6年後の東京五輪へのステップとして期待を込めた。