<アジア大会>◇第2日◇20日◇韓国・仁川

 シンクロナイズドスイミングのデュエットで、日本の乾友紀子(23=井村シンクロク)と三井梨紗子(20=東京シンクロク)組が181・5388点で銀メダルを獲得した。井村雅代コーチが10年ぶりに復帰した最初の国際大会で、中国の背中がはっきりと見えた。

 乾、三井組はジャズのリズムに乗り、スピーディーにシンクロする。2年前のロンドン五輪では銅メダルの中国と6・13点差の5位だったが、今回は3・6463点差に詰め寄った。金子正子チームリーダーは「もっと近づきたかったが、狙うものは見えてきた」。

 井村コーチが離れた04年アテネ五輪以降、日本は低迷し、逆に招へいした中国は上昇していった。08年北京五輪のチームは中国の銅に対し、日本は5位。そしてロンドン五輪ではメダル0に終わった。危機感を抱いた日本水泳連盟は、井村コーチの復帰を決断した。

 4月にチームに合流した井村コーチは、選手たちを見て「あの体形では勝てない」と思った。脂肪を落とすための陸トレを徹底させた。乾の体脂肪率は21%から16%、三井も22%から18%に減少。スピードは増し、水面から出る足も高くなり、演技も映えるようになる。三井は「思い切り、自信を持って泳げる」と「井村効果」を実感した。

 海外のチーム関係者も、井村コーチの復帰に「20年東京五輪に向けて日本が力を入れてきた」と警戒感を示す。井村コーチの復帰とともに、お家芸復活の道のりが開けてきた。【田口潤】